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オンライン診療は保険適用される?対象疾患・条件・費用まで徹底ガイド

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近年、スマートフォンやパソコンを使って自宅から診察が受けられる「オンライン診療」が注目を集めています。

通院の手間が省けるうえ、感染症リスクも低減できるなど、多くのメリットがありますが、一方で「保険は使えるの?」「費用は全額自己負担になるの?」といった疑問を持つ人も少なくありません。

本記事では、オンライン診療で健康保険が適用される条件や対象となる疾患、注意点、費用の目安までを分かりやすく解説します。


オンライン診療とは?基本と仕組みをおさらい

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自宅からスマートフォンやパソコンで医師の診察を受けられる「オンライン診療」。感染症対策や通院の負担軽減といった背景から、利用する人が急増しています。

しかし、「対面診療とどう違うの?」「保険は使えるの?」といった疑問を持つ人も少なくありません。

オンライン診療の定義と対面診療との違い

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどの通信機器を使って、医師が遠隔で診察を行う医療サービスのことで、従来の対面診療との大きな違いは、物理的な来院が不要であることです。

映像や音声を通じて問診や症状の確認が行われ、必要に応じて処方箋も発行されます。ただし、医師が直接触診や検査を行うことができないため、診察には一定の制約があります。


オンライン診療における「保険適用」とは何か

オンライン診療でも、条件を満たせば通常の外来と同様に医療費の自己負担は1〜3割となります。ただし、全てのオンライン診療が保険適用になるわけではありません。

対象となる症状や診療内容など、いくつかの要件があります。また、保険が適用されない自由診療(例:ED治療やピル処方など)も存在するため、事前の確認が非常に重要です。


2024年以降の制度変更と特例措置の終了について

2020年から2022年にかけては、感染拡大防止のため、初診も含めて広範囲にオンライン診療が認められる「特例措置」が導入されていました。

しかし、2023年以降、厚生労働省はこの特例を段階的に終了させ、再び原則的な制度へと戻しています。現在では、医師の事前情報の取得や、必要に応じて対面診療との併用が求められるなど、より厳格な運用がなされています。


オンライン診療で保険が適用される条件とは

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オンライン診療はとても便利な仕組みですが、保険が適用されるにはいくつかの条件が設けられています。


初診と再診の扱いの違い

オンライン診療において、保険適用の可否に大きく関わるのが「初診」と「再診」の違いです。

初診とは、これまで医療機関にかかったことがない状態で診察を受けることを指します。

原則として、オンライン診療での初診は制限されていますが、2022年以降一定の条件下ではオンラインでの初診も保険適用が可能となっています。

一方、再診は一度対面診療を受けたあとの継続的な診察を意味しており、比較的広くオンライン診療が認められています。


保険適用が認められる要件(医師の判断・厚労省指針など)

オンライン診療で健康保険が適用されるには、厚生労働省が定める一定のガイドラインに沿って行われる必要があります。ポイントは以下の通りです。

・医師がオンラインでの診療が安全・適切と判断した
・診療内容が慢性疾患など継続的な管理が必要
・患者の状態や診療が、対面を要しないと合理的に判断できる
・医療機関が厚労省の定めるオンライン診療の届出をしている


保険適用を受けるために必要な準備・手続き

オンライン診療で保険を適用するには、事前にいくつかの準備が必要です。スムーズに診療を受けるために、以下の点を確認しておきましょう。

・保険証の提示
・対象となる診療かどうかの事前確認
・アプリ・システムへの登録
・事前問診の入力
・同意事項の確認

これらの手続きを行うことで、当日スムーズに診察が進み、保険適用も問題なく受けられるようになります。


保険適用対象となる代表的な疾患と診療内容

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オンライン診療は、症状や診療内容によって保険の適用が異なります。どのようなケースでオンライン診療が有効かを具体的に解説します。


高血圧・糖尿病などの生活習慣病

高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、基本的に定期的な経過観察と処方薬の調整が中心となるため、オンライン診療との相性も良好です。ただし、血液検査や血圧測定などが必要な場合は、定期的な対面診療やご自身での定期的な健康診断を併用するようにしましょう。


皮膚疾患(ニキビ、アトピーなど)

皮膚科の中でも、症状が軽度〜中などで視診可能な皮膚疾患は、オンライン診療でも対応しやすく、保険が適用されることが多い分野です。事前に患部の写真を送付してもらい、オンライン上でも視診の精度を高めるなどの工夫をして診察をしています。


心療内科・精神科(うつ、不眠など)

心療内科・精神科の治療は、問診が中心となるため、相性が良いです。継続して治療を受けている患者様にとって、通院によるストレスや負担を軽減できるという点について、多くの患者から負担軽減を感じるという声があります。


花粉症・禁煙治療・クラミジアなどの症例

以下のような症状・目的も、医師の判断によって保険適用のオンライン診療が可能です。

・花粉症:継続的な服薬管理や症状の確認。
・禁煙外来:一定の条件を満たすことで、オンラインでも禁煙治療プログラムを保険診療が可能。
・クラミジアなどの性感染症:検査結果の報告や薬の処方など、一部のフォローアップがオンラインで対応。

症状が安定しており医師がオンラインでの判断が可能と考えた場合に限り、保険適用が認められます。


ED・AGA・ピル処方は対象外?グレーゾーンの解説

ED(勃起不全)治療やAGA(男性型脱毛症)、ピル処方などは、オンライン診療ではよく見かける診療内容ですが、原則として保険は適用されません。

目的や診断によって保険適用かどうかが変わることがあるため、自己判断せず医師に相談することが大切です。


オンライン診療で保険が適用されないケース

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診療内容や目的によっては「自由診療」となり、全額自己負担になるケースがあるので、事前に確認をしましょう。


自由診療(ED治療、AGA、ピルなど)との違い

保険診療と自由診療の大きな違いは、「医療としての必要性が認められているか」にあります。

以下のような診療は、原則として保険が適用されません:

・ED治療(勃起不全)
・AGA治療(男性型脱毛症)
・ピルの処方(※避妊目的でのピル)

これらの診療は、保険外の医薬品が処方されることも多く、費用は全額自己負担になります。


保険適用されない具体的な理由と背景

保険が適用されない背景には、国の医療制度上のルールが存在します。主な理由は次の通りです

・医療上の必要性が認められにくい
・診療内容が予防・美容・生活改善に該当する
・厚生労働省が保険診療として定めていない薬が使われている

このように線引きがあるため、事前に確認をしましょう。


診療科や医療機関の体制による違い

同じ診療内容であっても、医療機関によって保険適用か自由診療かが異なることがあります。これは、以下のような理由によるものです。

・クリニックがオンライン診療を自由診療のみで提供している
・保険診療の届出をしていない場合
・診療科による方針の違い

医療機関ごとに費用や診療内容に差が出る点は認識しておく必要があります。


診療科ごとの保険適用実例

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代表的な診療科別に、どのような症状・対応内容が保険適用の対象となるか、具体的な事例と共にご紹介します。


皮膚科での具体的な対応と保険適用例

皮膚科は視診中心の疾患であれば保険適用での診療が可能です。

対応例

・ニキビ(尋常性ざ瘡)の継続治療と外用薬の処方
・アトピー性皮膚炎や湿疹の経過観察
・じんましん(蕁麻疹)の再発防止のための服薬管理

これらは既に診断がついていて、症状が比較的安定している場合、再診としてのオンライン診療で保険が適用されます。


内科・生活習慣病のオンライン診療事例

内科では生活習慣病において、再診を中心にオンライン診療が保険適用となっています。

対応例

・血圧や血糖の数値の報告、薬の継続処方
・定期的な症状確認と生活指導
・服薬の副作用チェックや軽微な体調変化の相談

血液検査や検診結果などのデータを元に、医師が継続的な診療をオンラインで行っています。


心療内科・精神科の継続治療パターン

心療内科・精神科は、問診ベースの診療が主となるため、オンライン診療で保険が適用されやすい分野です。

対応例

・うつ病・不安障害・パニック障害などの継続処方
・不眠症に対する経過観察と薬の調整
・定期的なカウンセリングや心理的サポート

ただし、初診時の診断精度や安全性の観点から、オンライン初診は制限される場合があります。(抗精神病薬などの処方禁止や処方日数制限あり)


婦人科・泌尿器科での対応例と注意点

婦人科や泌尿器科でも、症状や目的によっては保険適用のオンライン診療が可能です。

対応例

・月経困難症やPMSの継続的な薬物治療
・更年期障害に対するホルモン治療の経過観察
・軽度の膀胱炎など
・検査後の結果報告と投薬指導
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ただし、性感染症の診断やホルモンバランスの評価など、検査が必要なケースでは対面診療が必要になります。


オンライン診療にかかる費用の目安

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オンライン診療は、自宅から手軽に受けられる反面、「実際の費用が分かりにくい」と感じる人も少なくありません。

ここでは、保険が適用される場合の自己負担額や、薬の送料・システム利用料などの追加費用、自由診療との違いについて解説します。

※下記の費用については、あくまで一例としての目安であり、医療機関により異なります。


保険適用時の自己負担額(初診・再診)

オンライン診療で健康保険が適用される場合、自己負担は通常の対面診療と同じく1〜3割です。以下は一般的な目安です(3割負担の場合)。

・初診の場合:700円〜1,500円程度
・再診の場合:300円〜800円程度

通常の外来と同水準と考えて問題ありませんが、診療費用とは別に、システム利用料や送料がかかる場合がある点は注意が必要です。


薬の処方・送料・システム利用料などの追加費用

オンライン診療では、薬の処方や配送に関する費用が別途発生することがあります。

・処方箋発行費用:600円前後(保険適用内)
・薬代:内容により異なりますが、通常の調剤薬局と同じく保険が適用されます
・送料(薬配送):無料〜500円程度(薬局の方針による)
・システム利用料:0円〜1,000円程度(医療機関によって異なる)

これらの追加費用は、保険適用外の自由設定であるため、クリニックや薬局ごとに異なります。


自由診療との比較

一方で、保険が適用されない自由診療では、費用は全額自己負担となります。以下は代表的な例です。

・ED治療(シルデナフィルなど):診療+薬代で3,000円〜10,000円
・AGA治療(フィナステリドなど):5,000円〜15,000円/月
・ピルの処方(避妊目的):2,000円〜4,000円/月
・※これらの費用は一例であり、医療機関によって異なります。
・※これらの薬の名称はあくまで一般名の一例であり、実際の薬剤名や処方内容は医師の判断によって異なります。

自由診療は医療機関ごとに価格設定が自由なため、同じ治療内容でもクリニックごとに金額が大きく異なる場合があります。


保険適用でオンライン診療を受けるまでの流れ

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オンライン診療で保険を適用するには、あらかじめ確認しておくべきポイントや準備がいくつかあります。

この章では、予約前にチェックしておくべきことから、診療当日の流れ、薬の受け取り方法までを分かりやすく解説します。


事前に確認すべきこと(保険証・適用条件)

オンライン診療を保険適用で受けるには、以下の点を事前にチェックしておきましょう。

・健康保険証の有効期限・情報確認
・保険適用の可否(診療科・症状の確認)
・初診 or 再診の確認
・オンライン診療に対応しているかどうか


対応クリニックの探し方と選び方

保険適用でオンライン診療を受けるには、対応しているクリニックを見つけることが最初のステップです。

探し方
・「オンライン診療 保険適用 + 症状名」で検索する
・オンライン診療専門のポータルサイト(例:CLINICS、SOKUYAKUなど)を利用する
・地元のかかりつけ医がオンライン診療に対応していないか確認する

選ぶ際のチェックポイント
・保険診療に対応しているか(自由診療のみのクリニックもある)
・薬の配送や処方箋の取り扱いがスムーズか
・システム利用料・キャンセル料の有無


診療〜薬の受け取りまでの一連の流れ

実際のオンライン診療では、次のようなステップで進行します。
1.予約・事前問診の入力
2.診察(ビデオ通話)
3.診察終了・処方箋発行
4.薬の受け取り(自宅配送・近隣薬局での受け取り)
5.支払い

オンライン診療では、初回の準備に少し手間がかかるものの、慣れれば通院時間を大幅に短縮できるのが大きなメリットです。


オンライン診療のメリットと注意点

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オンライン診療は非常に便利なサービスですが、全ての場面で最適とは限りません。

利用することで得られるメリットと、知っておきたい注意点、そして安心して利用するためのポイントを整理してお伝えします。


利用のメリット(時間短縮・感染防止など)

オンライン診療が選ばれる理由は、やはりその利便性の高さにあります。特に以下のような点が大きなメリットです。

・通院時間・待ち時間の削減
・感染リスクの回避
・継続治療がしやすい
・育児・介護・多忙な人にも最適


デメリット・診療限界について

一方で、オンライン診療にはいくつかの制限やリスクも存在します。

・視診・触診ができない
・緊急性のある症状には不向き
・検査や処置が必要な診療には対応できない


安心して利用するためのチェックポイント

オンライン診療を安全に、そして納得して利用するためには、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。

・医療機関の実績や口コミを確認
・保険適用の可否・料金体系を事前にチェック


自分の症状が保険適用になるか確認しよう

オンライン診療は、忙しい日常や通院の負担を減らす便利なおすすめの手段です。ただし、全ての診療が保険適用になるわけではないため、「自分の症状や目的が対象になるかどうか」を事前に確認しておきましょう。

オンライン診療に慣れていない人も、まずは一度相談してみることで、不安が解消されるかもしれません。