エスゾピクロンは効かない?効果が出る時間・副作用・他の睡眠薬との違いを解説

エスゾピクロンを処方されたものの、「本当に効くのか」「副作用は大丈夫なのか」と不安に感じていませんか。睡眠薬は種類が多いうえ、ネット上の情報も断片的で、かえって判断に迷ってしまう方も少なくありません。
この記事では、エスゾピクロンについて「効き始めるまでの時間と持続時間」「効かないと感じたときの原因と対処法」「悪夢・苦味・依存といった気になる副作用」「デエビゴやルネスタなど他の睡眠薬との違い」を、検索する方が知りたい順に整理して解説します。
服用前の不安をひとつずつ解消できるよう、公開されている情報をもとにわかりやすくまとめました。自分に合う睡眠薬を選ぶための判断材料として役立ててください。
【注意事項】
※本記事は執筆時点で公開されている情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、特定の効果・効能を保証するものではありません。
※薬の効果や副作用の現れ方には個人差があり、記載内容がすべての方に当てはまるわけではありません。
※服用の可否・用量・治療方針については、必ず医師の診察を受けたうえでご判断ください。
※薬価や添付文書の内容は改訂される場合があります。最新情報は医療機関や公式の添付文書をご確認ください。
エスゾピクロンとは?どんな睡眠薬かをやさしく解説

エスゾピクロンは、不眠症の治療に使われる睡眠薬の有効成分(一般名)です。先発薬は「ルネスタ錠」で、米国のサノビオン社(旧セプラコール社)が創製し、日本ではエーザイ株式会社が販売しています。日本での歩みとしては、2007年にライセンス契約が結ばれ、2012年1月に製造販売承認を取得、同年4月に発売されました。その後、特許切れにともない、2021年6月にはエスゾピクロン錠としてジェネリック医薬品(後発薬)も発売されています。
寝つきの悪さ(入眠障害)や、夜中に目が覚めてしまう中途覚醒に対して用いられるのが特徴です。
エスゾピクロンの作用のしくみ(GABAへの働き)
エスゾピクロンは、脳内にある「GABA-A受容体」に結合し、神経の高ぶりを抑える働きをもつGABAの作用を強めることで、催眠・鎮静作用をあらわすと考えられています。
イメージとしては、脳を無理やり眠らせる薬ではなく、高ぶった脳の活動を鎮めて「眠りやすい状態」へ導くお薬です。そのため、効果の感じ方には睡眠環境や体調などの影響もあり、個人差が出やすい点は知っておくとよいでしょう。
なお、エスゾピクロンは、もともと「ゾピクロン」という成分を光学分割し、その有効成分の中心となるS体だけを取り出して作られています。
エスゾピクロンは何系の睡眠薬?(非ベンゾジアゼピン系)
エスゾピクロンは、「非ベンゾジアゼピン系」に分類される睡眠薬です。頭文字から「Z薬(ゼットやく)」と呼ばれることもあり、同じ仲間には、アモバン(ゾピクロン)やマイスリー(ゾルピデム)があります。
古くから使われてきたベンゾジアゼピン系の睡眠薬に比べると、筋肉のゆるみ(筋弛緩作用)によるふらつきなどが比較的少ないとされ、作用時間が短いため、特に寝つきの悪さ(入眠障害)に向いているお薬と位置づけられています。
エスゾピクロンの効果|効き始める時間と持続時間

エスゾピクロンは、寝つきの悪さ(入眠障害)の改善を主な目的として使われる睡眠薬です。臨床試験では、布団に入ってから眠るまでの時間(入眠潜時)が短くなることや、夜中の目覚め(中途覚醒)が減ることが報告されています。
ただし、これは「服用すれば必ず◯時間眠れる」という性質のものではありません。睡眠は体調・ストレス・寝室の環境などにも左右されるため、効果の感じ方には個人差がある点をふまえておきましょう。
エスゾピクロンの効果が出るまでの時間
エスゾピクロンは、服用後の血中濃度がおおむね1時間前後でピークに達します。用量による違いはありますが、早い場合は服用後30分〜1時間ほどで眠気を感じはじめる目安と考えておくとよいでしょう。
効き始めが比較的早いお薬のため、服用は布団に入る直前のタイミングが基本です。あらかじめ寝る支度を済ませてから飲むようにしてください。なお、食事と一緒に飲んだり食後すぐに飲んだりすると、効きはじめが遅くなることが知られています。
持続時間と作用の強さ(1mg・2mg・3mg)
エスゾピクロンは、成分が体から抜けるまでの時間の目安となる「半減期」が約5〜6時間とされ、睡眠薬のなかでは「超短時間作用型」に分類されます。比較的短時間で体から抜けていくため、翌朝への眠気の持ち越しは少なめとされていますが、感じ方には個人差があります。
用量は、通常、成人で1回2mg、高齢者で1回1mgが目安です。増量する場合でも、成人は1回3mg、高齢者は1回2mgが上限とされています。一般に用量が増えるほど作用は強まりますが、その分だけ眠気などの副作用が出やすくなる可能性もあるため、自己判断で量を増やさず、必ず医師の指示に従ってください。
臨床試験で示されたエスゾピクロンの効果
エスゾピクロンの効果は、複数の臨床試験で確認されています。
原発性不眠症の成人を対象に、プラセボ(偽薬)と比較した試験では、布団に入ってから眠るまでの時間(睡眠潜時)が次のように短縮しました。
| 睡眠潜時(脳波測定) | 寝つきの体感時間 | |
|---|---|---|
| プラセボ | 22.8分 | 45.0分 |
| エスゾピクロン2mg | 11.3分 | 25.0分 |
| エスゾピクロン3mg | 10.4分 | 20.0分 |
また、高齢の不眠症患者を対象とした試験では、夜中に目が覚めている時間(中途覚醒時間)の短縮も確認されています。さらに、24週間の長期投与試験では、効果が続くなかで、問題となるような耐性(だんだん効かなくなること)や、急にやめたときの強い不眠(反跳性不眠)は認められなかったと報告されています。
ただし、これはこの試験で認められなかったという結果であり、反跳性不眠が起こらないという意味ではありません。添付文書では、服用を続けている途中で急に量を減らしたり中止したりすると、不安、異常な夢、悪心、胃の不調、反跳性不眠といった離脱症状があらわれることがあると記載されています。実際の使用にあたっては注意が必要な症状です。
こうしたデータからも、エスゾピクロンは寝つきの改善を中心に、長く使う場合でも比較的扱いやすい睡眠薬と考えられています。ただし添付文書では、連用により薬物依存を生じることがあるため、漫然とした継続投与による長期使用は避けることとされています。ただし効果には個人差があるため、実際の効き方は医師と相談しながら確認していくことが大切です。
エスゾピクロンが「効かない」と感じる原因と対処法

「エスゾピクロンを飲んでも眠れない」「2mgでも効かない」と感じる場合、いくつかの原因が考えられます。多くは薬そのものよりも、飲み方や生活環境、不眠のタイプとのミスマッチが関係しているケースです。
考えられる主な原因は次のとおりです。
・飲むタイミングや食事の影響:食事と一緒に、または食後すぐに飲むと、有効成分の吸収が遅れて血中濃度が下がり、効きはじめが遅く・弱く感じられることがあります。
・服用後に脳を刺激している:飲んだあとにスマホを見たり、明るい部屋で過ごしたり、考えごとをしたりすると、薬が「眠りやすい状態」へ導こうとしても、その効果を打ち消してしまうことがあります。
・カフェインやアルコールの影響:就寝前のカフェイン摂取は覚醒を促します。アルコールは一時的に眠気を誘うものの、睡眠の質を下げ、かえって眠りを浅くすることがあります。
・不眠のタイプとの相性:エスゾピクロンは作用時間が短く、特に寝つきの悪さ(入眠障害)に向いたお薬です。早朝に目が覚めてしまう、長時間眠れないといった悩みが主体の場合は、効果を実感しにくいことがあります。
・効き方の個人差:脳の高ぶりを鎮めて自然な眠りに近づけるお薬のため、強い眠気でストンと落ちるような「効いた感覚」が乏しく、効果を感じにくいと受け取られることもあります。
対処法としては、まず空腹のタイミングで就寝直前に服用し、飲んだらすぐに部屋を暗くして布団に入る、寝る前のスマホ・カフェイン・飲酒を控えるなど、薬が働きやすい環境を整えることが基本です。
一方で、効果が物足りないからといって、自己判断で量を増やしたり、同じ晩に追加で飲んだりするのは避けてください。副作用のリスクが高まります。生活面を見直しても効果が不十分な状態が続く場合は、用量の調整や薬の変更、不眠の原因そのものの見直しが必要なこともあるため、自己判断で続けず、処方を受けた医師に相談しましょう。
エスゾピクロンの副作用|悪夢・苦味・依存など

エスゾピクロンは比較的安全性の高い睡眠薬とされていますが、副作用がまったくないわけではありません。代表的なものから、まれにあらわれる重大なものまで、あらかじめ知っておくと安心です。
エスゾピクロンの多い副作用と重大な副作用
報告されている主な副作用は、次のとおりです。
| 頻度の目安 | 主な症状 |
|---|---|
| 比較的多い | 傾眠(日中の眠気)、味覚異常(口の苦み) |
| ときにみられる | 頭痛、浮動性めまい、口の渇き |
| まれ | 不安、注意力の低下、異常な夢(悪夢)、うつ症状、 倦怠感 など |
これらの多くは軽度で一時的なことが多いものの、症状が強い場合や続く場合は医師に相談してください。
また、頻度は低いものの、次のような重大な副作用が報告されています。あてはまる症状があらわれた場合は、服用を中止して速やかに医療機関を受診してください。
・ショック、アナフィラキシー(冷や汗、顔面蒼白、全身のかゆみ、息苦しさ など)
・依存性(服用を続けるうちに薬物依存を生じることがある。急に減量・中止すると、不安、異常な夢、悪心、胃の不調、反跳性不眠などの離脱症状があらわれることがある)
・呼吸抑制(呼吸が浅くなる・回数が減る)
・肝機能障害(体のだるさ、吐き気、食欲不振 など)
・精神症状や意識障害(幻覚、興奮、意識がもうろうとする など)
・一過性前向性健忘(一時的に新しいことを記憶できなくなる)
・睡眠随伴症状(睡眠中に歩き回る、食事をとる、車を運転するなど、本人の記憶に残らない行動)
このうち、もうろう状態と睡眠随伴症状については、添付文書の冒頭に「警告」として記載されています。服用後に本人の記憶に残らないまま歩き回る、食事をとる、車を運転するといった行動があらわれることがあり、重篤な自傷・他傷行為や事故につながるおそれがあります。また、寝つくまでの間や夜中に目が覚めたときの出来事を覚えていないことがあります。こうした症状があらわれた場合は、服用を続けずに必ず医師に相談してください。
エスゾピクロンの独特の苦味が出る理由と対処法
エスゾピクロンでよく知られている副作用が、口の中に広がる独特の苦味です。これは、有効成分やその代謝産物そのものが苦味をもち、唾液ではなく味を感じる細胞のまわりの血流を通じて感じると考えられています。そのため、うがいや歯みがきをしても取れにくく、しばらく続くことがあるのが特徴です。
もとになった「ゾピクロン(アモバン)」に比べると苦味は軽減されているとされますが、ゼロになるわけではありません。対処としては、コップ一杯程度の水でしっかり飲み込み、飲んだらそのまま眠ってしまうのがおすすめです。苦味がつらくて続けられない場合は、我慢せず医師に相談すると、用量の調整や別の薬への変更を検討してもらえます。
エスゾピクロンで悪夢を見ることはある?
エスゾピクロンの副作用として、「異常な夢(悪夢)」が報告されています。頻度は高くありませんが、いやな夢や生々しい夢が増えたと感じる方もいます。
多くは一時的なものですが、悪夢が続いて睡眠の妨げになっている、日中の気分に影響しているといった場合は、医師に相談してください。あわせて、睡眠中に歩き回る・食事をとるといった行動(睡眠随伴症状)がみられる場合も、早めの相談が必要です。
エスゾピクロンの依存性とやめるときの注意
エスゾピクロンは、長く使った場合でも依存や耐性は生じにくいとされる一方で、添付文書上は「依存性」が重大な副作用として記載されています。効きの実感が得られやすいぶん、「飲まないと眠れない」という心理的な頼り方につながることもあるため、漫然と長期間飲み続けないことが大切です。
注意したいのが、やめるときです。急に服用を中止すると、一時的に以前より眠れなくなる「反跳性不眠」があらわれることがあります。やめたいと感じたときも、自己判断で急に中断せず、医師の指導のもとで少しずつ減らしていくのが安全です。
エスゾピクロンと他の睡眠薬の違い

エスゾピクロンは、名前のよく似た薬や同じ系統の薬と混同されやすいお薬です。代表的な薬との違いを整理しておきましょう。
| 薬の名前 | 分類 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| エスゾピクロン(ルネスタ) | 非ベンゾジアゼピン系 | 寝つき改善が中心。苦味が出やすい |
| ゾピクロン(アモバン) | 非ベンゾジアゼピン系 | エスゾピクロンの元になった薬。苦味が強め |
| ゾルピデム(マイスリー) | 非ベンゾジアゼピン系 | 作用時間が最も短く、寝つき重視 |
| レンボレキサント(デエビゴ) | オレキシン受容体拮抗薬 | 作用のしくみが異なる。自然な眠気を促す |
ルネスタ(先発)とエスゾピクロンの違い
「ルネスタとエスゾピクロンは何が違うの?」と疑問に思う方が多いのですが、実は中身は同じ薬です。「エスゾピクロン」は成分名(一般名)で、その先発薬の商品名が「ルネスタ錠」です。
そして、エスゾピクロン錠として販売されているのが、ルネスタのジェネリック医薬品(後発薬)にあたります。成分や効果は同等とされ、大きな違いは価格です。一般にジェネリックのほうが薬代を抑えられます。
ゾピクロン(アモバン)との違い・換算
エスゾピクロンは、もともと「ゾピクロン(アモバン)」という薬から生まれました。ゾピクロンはR体とS体という2種類の成分が混ざった薬で、その中から有効性の中心となるS体だけを取り出したものがエスゾピクロンです。
そのため作用のしくみは似ていますが、ゾピクロンで問題になりやすかった苦味などの副作用が、エスゾピクロンでは軽減されているとされます。用量の換算については、ゾピクロン7.5mgがエスゾピクロン2mg前後に相当するといった目安が示されることもありますが、単純に置き換えられるものではありません。切り替えは必ず医師の判断のもとで行ってください。
デエビゴとの違い・併用の可否
デエビゴ(成分名:レンボレキサント)は、エスゾピクロンとは作用のしくみがまったく異なる睡眠薬です。エスゾピクロンが脳の興奮を抑えて眠りやすくするのに対し、デエビゴは覚醒を維持する物質「オレキシン」の働きをブロックすることで、自然な眠気を促します。一般に依存性が少なく、中途覚醒にも使いやすいとされています。
両者は作用が異なるため、医師の判断で併用されることもありますが、どちらも眠気を強める薬です。重ねて飲むと過度の眠気やふらつきにつながるおそれがあるため、自己判断での併用は絶対に避け、必ず医師の指示に従ってください。
ゾルピデム(マイスリー)との違い
ゾルピデム(マイスリー)も、エスゾピクロンと同じ非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。どちらも寝つきの改善に使われますが、ゾルピデムは作用時間がより短く、寝つきに特化したお薬とされています。
エスゾピクロンは、寝つきだけでなく夜中の目覚め(中途覚醒)にもある程度使いやすいとされる点や、苦味が出やすい点が異なります。どちらが向いているかは不眠のタイプや体質によって変わるため、医師と相談しながら選ぶことが大切です。
エスゾピクロンの正しい飲み方|食後・アルコール・タイミング

エスゾピクロンは、飲み方によって効果の出方や安全性が変わります。基本のポイントを押さえておきましょう。
飲むタイミングは、布団に入る直前が基本です。エスゾピクロンは効きはじめが比較的早く、服用後にふらついたり、記憶があいまいなまま行動してしまったりするおそれがあるため、寝る支度をすべて済ませてから飲み、飲んだらすぐに横になるようにしてください。
服用は、コップ一杯程度の水またはぬるま湯で飲みます。
食後に飲んでもいい?
エスゾピクロンは、食事と同時、または食後すぐの服用は避けるのが望ましいとされています。胃の中に食べ物があると有効成分の吸収が遅れ、血中濃度が下がって効きはじめが遅く・弱く感じられることがあるためです。実際、食後に飲んだ場合は血中濃度のピークが2時間以上遅れたというデータもあります。
夕食からあまり時間が空かないときは、食事と服用のあいだにできるだけ間隔をあけ、空腹に近い状態で飲むのが理想です。
アルコールとの併用は避ける
エスゾピクロンとアルコールは、どちらも脳の働きを抑える作用があります。一緒に飲むと作用が強まりすぎて、過度の眠気やふらつき、呼吸の抑制、記憶があいまいになるといったリスクが高まります。
「寝酒」として飲酒とあわせて使うのは大変危険です。エスゾピクロンを服用する日は飲酒を控えてください。
飲み忘れ・服用後の注意
飲み忘れに気づいても、2回分を一度にまとめて飲むことは絶対にしないでください。また、効果が物足りないからといって追加で飲むのも避けましょう。
服用後は、その影響が翌朝まで残ることがあります。眠気や注意力の低下が起こるおそれがあるため、車の運転や危険を伴う作業は控えてください。
エスゾピクロンの用量・処方制限・薬価

エスゾピクロンには、1mg・2mg・3mgの3種類の規格があります。用量の目安は次のとおりです。
| 対象 | 1回量の目安 | 上限 |
|---|---|---|
| 成人 | 2mg | 3mg |
| 高齢者 | 1mg | 2mg |
いずれも就寝直前に1日1回服用します。症状に応じて医師が増減しますが、上限を超えての服用や、自己判断での増量は行わないでください。なお、高度の肝機能障害・腎機能障害がある場合は、1mgから慎重に使うこととされています。
エスゾピクロンに処方日数の制限はある?
「睡眠薬は長く出してもらえない」というイメージから、処方日数を気にされる方も多いようです。エスゾピクロンは、一部の睡眠薬に設けられている投与日数の制限の対象にはなっておらず、原則として長期の処方も可能なお薬とされています。
ただし、漫然と飲み続けることは推奨されません。また、オンライン診療では一度に処方される日数や量が各クリニックの方針によって異なる場合があるため、具体的な日数は受診先で確認してください。
エスゾピクロンの薬価
エスゾピクロンは保険が適用される医薬品です。先発薬であるルネスタ錠の薬価は、規格によって異なりますが、たとえば1mg錠で1錠あたり24円程度(執筆時点)が目安です。実際の窓口での負担は、保険の自己負担割合(1〜3割)に応じてさらに少なくなります。
ジェネリックのエスゾピクロン錠は、先発薬よりも薬価が抑えられています。薬価は改定されることがあるため、最新の金額は医療機関や薬局で確認してください。
なお、自由診療のオンラインクリニックなどでは保険が使えず、料金体系も異なります。
エスゾピクロンを服用できない人・注意が必要な人
エスゾピクロンは、体質や持病によっては服用できない場合や、慎重な使用が必要な場合があります。
次にあてはまる方は、エスゾピクロンを服用できません(禁忌)。
・エスゾピクロンの成分、またはゾピクロンに対してアレルギー(過敏症)を起こしたことがある方
・重症筋無力症の方
・急性閉塞隅角緑内障の方
また、次のような方は服用できる場合でも注意が必要です。あてはまる場合は、必ず事前に医師へ伝えてください。
・高齢者:作用が強く出やすく、ふらつきや転倒のおそれがあるため、少量(1mg)から慎重に使います。
・肝臓・腎臓の機能が低下している方:薬が体に残りやすく、作用が強まることがあります。
・呼吸機能が大きく低下している方:呼吸が抑えられるおそれがあります。
・妊娠中・授乳中の方:有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ使用し、授乳は避けることとされています。
・心臓の病気や、脳に器質的な障害のある方、体力が著しく低下している方。
・過去に、睡眠中の異常行動(睡眠随伴症状)を経験したことがある方。
エスゾピクロンを使う前には、現在治療中の病気や飲んでいる薬、サプリメントについて医師・薬剤師に伝え、自分が服用して問題ないかを必ず確認しましょう。
エスゾピクロンに関するよくある質問

エスゾピクロンについて、検索されることの多い疑問にまとめてお答えします。
エスゾピクロンの致死量はどのくらいですか?
具体的な致死量についての情報はお伝えできませんが、睡眠薬を一度に大量に服用すると、強い眠気や意識障害、呼吸の抑制など命に関わる重篤な症状を引き起こすおそれがあり、大変危険です。
決められた量を守り、絶対に自己判断で多く飲まないでください。もし眠れないつらさで思いつめてしまう、気持ちが沈んで苦しいといったときは、ひとりで抱え込まず、処方を受けた医師や下記の相談窓口にご連絡ください。
・こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)0570-064-556
・よりそいホットライン(社会的包摂サポートセンター)0120-279-338(24時間対応)
エスゾピクロンを個人輸入で買っても大丈夫ですか?
おすすめできません。個人輸入の通販サイトでは偽造品が出回っていることがあり、健康被害につながるおそれがあります。また、個人輸入した医薬品は、副作用が起きたときに公的な救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となります。エスゾピクロンは、必ず医療機関で処方されたものを使用してください。
エスゾピクロンは女性でも服用できますか?
女性も服用できます。ただし、妊娠中・妊娠している可能性のある方は、有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ使用します。また授乳中の方は、成分が母乳に移行するおそれがあるため、授乳を避けることとされています。該当する場合は必ず医師に相談してください。
エスゾピクロンはオンライン診療でも処方してもらえますか?
オンライン診療に対応している医療機関であれば、診察のうえで処方を受けられる場合があります。通院の時間がとりにくい方や、対面の受診に抵抗がある方の選択肢になります。ただし、初診の可否や処方できる日数は医療機関の方針によって異なります。
不眠の相談は何科を受診すればいいですか?
ストレスや不安が背景にあると感じる場合は、精神科や心療内科が適しています。身体的な不調が原因として疑われる場合は、内科でも相談できます。まずはかかりつけ医に相談するのもよいでしょう。
エスゾピクロンはどのように保管すればいいですか?
直射日光と湿気を避け、室温(1〜30℃)で保管してください。誤飲を防ぐため、子どもの手の届かない場所に置くことも大切です。
エスゾピクロンの半減期・作用時間はどのくらいですか?
エスゾピクロンの半減期(成分が体から抜ける目安)は約5〜6時間で、睡眠薬のなかでは「超短時間作用型」に分類されます。比較的短時間で体から抜けるため、翌朝への眠気の持ち越しは少なめとされていますが、感じ方には個人差があります。
食後はどのくらい時間をあけて飲めばいいですか?
明確な「何時間」という基準はありませんが、食事と同時、または食直後の服用は避けることとされています。胃に食べ物があると吸収が遅れ、効きはじめが遅く・弱くなるためです。夕食からあまり時間が空かないときは、できるだけ間隔をあけ、空腹に近い状態で飲むのが理想です。
飲んだ翌日に車の運転をしても大丈夫ですか?
服用の影響が翌朝以降に残り、眠気や注意力の低下があらわれることがあります。こうした低下は自分では気づきにくいことがあるため、添付文書では、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意することとされています。眠気の自覚がなくても、車の運転や危険を伴う作業は控えてください。 エスゾピクロンを服用する際は、十分な睡眠時間を確保できる環境で飲むことが大切です。
エスゾピクロンに耐性はできますか?飲み続けても効きますか?
長期間の使用でも、問題となるような耐性は生じにくいとされています。ただし、添付文書上は依存性が重大な副作用として挙げられているため、漫然と飲み続けるのは避けましょう。飲み続けるうちに効きにくく感じる場合は、耐性よりも生活習慣や不眠の原因が関係していることもあるため、自己判断で量を増やさず医師に相談してください。
エスゾピクロンは市販でも買えますか?
エスゾピクロンは医師の処方が必要な医療用医薬品で、ドラッグストアなどで市販はされていません。入手するには医療機関を受診する必要があります。個人輸入は偽造品や健康被害のリスクがあるため避けてください。
まとめ:エスゾピクロンを正しく理解して不眠とつき合う

エスゾピクロンは、脳の高ぶりを鎮めて眠りやすい状態へ導く、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。効きはじめが比較的早く、寝つきの悪さ(入眠障害)に向いている一方、効果の感じ方には個人差があります。
「効かない」と感じる背景には、飲むタイミングや食事の影響、生活環境、不眠のタイプとのミスマッチなどがあることが少なくありません。まずは就寝直前に空腹で服用し、飲んだらすぐ休む、就寝前のスマホやカフェイン・飲酒を控えるといった工夫から見直してみましょう。
副作用としては、眠気や独特の苦味のほか、まれに悪夢や睡眠中の異常行動などがあらわれることがあります。やめるときは反跳性不眠を防ぐため、自己判断で急に中断せず、医師の指導のもとで少しずつ減らすことが大切です。
睡眠薬は、正しく使えば不眠とつき合っていくための心強い味方になります。気になる症状や不安があるときは、自己判断で続けたり量を変えたりせず、医師や薬剤師に相談しながら、自分に合った形で活用してください。
参照リンク
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医療用医薬品 情報検索(添付文書・インタビューフォーム)」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度」
https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_kyusai/
・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット(不眠症)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
・日本睡眠学会「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」
https://jssr.jp/
・厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/ainline.html