AGA治療と血液検査の関係は?検査が行われる理由と内容をわかりやすく解説

血液検査とAGA治療の基本
AGA(男性型脱毛症)は、加齢や遺伝、ホルモンの影響などが複雑に関与する進行性の脱毛症です。放置してしまうと抜け毛が徐々に増え、髪のボリュームが減少して外見の変化が目立つようになります。そのため、できるだけ早期に治療を開始することが重要とされています。
ところが、AGA治療を始める際に血液検査を勧められると、「髪の治療なのになぜ血液検査が必要なのか」と不安を感じる人も少なくありません。血液検査は、ただ単にAGAかどうかを調べるためのものではなく、治療を安全に行うための基礎的な確認手段として用いられるものです。ここでは、その具体的な目的や検査内容について見ていきましょう。
※本記事は一般情報であり、特定の治療効果を保証するものではありません。治療の適否や検査の要否・頻度は医師の診察に基づく個別判断となります。承認された効能・用法は添付文書をご確認ください。
※本記事では、日本国内で承認されているAGA治療薬(フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル外用薬)に加え、国内未承認である「ミノキシジル内服薬」についても一般的な情報を紹介しています。
ミノキシジル内服薬は日本では発毛治療薬としての承認を受けておらず、自由診療の範囲で処方されるケースがあるのみです。使用を検討する際は必ず医師に相談し、リスクとメリットを十分に理解したうえで判断してください。
AGA治療における血液検査の位置づけ
AGAの進行度合いや症状は人によって異なり、体質や生活習慣、健康状態によっても治療の効果や副作用のリスクは変化します。血液検査はこうした個人差を踏まえて、安全性を確認するための検査として位置づけられています。
血液検査を通じて得られる情報は、AGA以外の疾患が関与していないか確認する、肝機能などを把握し薬の代謝に問題がないか確認する、治療薬を使用する際の副作用リスクをあらかじめ検討する、体質や遺伝的要素を把握し治療方針を立てる材料とする、といった点に役立ちます。
AGA以外の要因を確認するための検査
薄毛や抜け毛の背景には、AGA以外の要因が潜んでいる場合もあります。たとえば甲状腺ホルモンの異常や鉄欠乏性貧血、あるいは自己免疫疾患などによっても脱毛は引き起こされることがあります。これらの症状を見逃してAGAと誤認してしまうと、適切な治療が遅れるリスクが生じます。
血液検査によってAGA以外の疾患が隠れていないかを調べることは、治療を安心して進めるための大切なプロセスです。AGAそのものを血液検査だけで診断できるわけではありませんが、不要なリスクを避けるための有効な手段となります。
肝臓機能と薬の代謝との関わり
AGA治療で使われる代表的な内服薬には、フィナステリドやデュタステリドといった薬があります。これらは肝臓で代謝されるため、肝機能に問題があると薬の分解や排出がスムーズに行われず、体内に長くとどまることで副作用の可能性が高まる場合があります。
そのため、肝機能など全身状態の把握が望ましいとされ、医師の判断で血液検査を行うことがあります。特に肝で代謝される薬剤を検討する場合には注意が必要です。血液検査で肝臓の数値を確認することで、医師は安全に投薬できるかどうかを判断できます。こうした事前のチェックは、治療中の思わぬトラブルを避けるうえで重要な役割を果たします。
さらに、これらの薬では身体面だけでなく精神面への影響にも注意が必要です。フィナステリドやデュタステリドの服用により、一部の患者で抑うつ気分や不安感、意欲の低下などが報告されています。頻度は高くないものの、因果関係が疑われる症例が存在し、海外では「ポストフィナステリド症候群」として議論されることもあります。服薬中に気分の変化やメンタル面の不調を感じた場合は、自己判断せず速やかに医師へ相談することが重要です。
参照:PMDA(プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg)
治療適否を判断するための安全性チェック
血液検査を行うことで、個々の代謝能力や健康状態を把握できます。治療薬の効果は患者ごとに異なり、全員に同じ結果が得られるわけではありません。血液検査によって副作用のリスクを軽減できるかどうかを見極めることは、医師にとって治療計画を立てる際の大切な参考材料です。
ただし、検査の結果がそのまま薬の効き目を保証するわけではありません。治療薬の有効性はAGAの進行度合いや生活習慣など、多くの要素に影響されるため、血液検査の結果はあくまで「目安」として活用されます。
遺伝的な要素を確認する検査
医療機関によっては、血液や唾液を使ってAGAの遺伝的素因を調べる検査を行う場合があります。遺伝子検査は、将来的な薄毛のリスクや進行傾向を把握する参考になることがありますが、それだけで治療方針を決定できるものではありません。遺伝子検査の結果は診療上の補助的情報にとどまり、診断・治療選択は総合判断で行われます。
検査で確認される主な項目
AGA治療の開始前または治療中に血液検査が行われることがあります。これはAGAそのものを診断する検査ではなく、全身状態を把握して治療の適否や安全性に配慮するための参考情報を得る目的です。数値の評価や投薬の可否は医師が総合的に判断します。以下は代表的な確認項目と、結果を見る際の考え方の要点です。基準範囲は検査機関・測定法・年齢・性別などにより異なるため、ここに示す値は一例の目安です。
肝機能数値による代謝確認
AGA治療で用いられる一部の内服薬は肝臓で代謝されるため、肝機能の状態を把握しておくことが望ましいとされています。数値のみで投薬の可否が決まるわけではありませんが、安全性への配慮として参考になります。
・AST(GOT)の目安:7~38 IU/L
・ALT(GPT)の目安:4~44 IU/L
・γ-GTPの目安:50 IU/L以下
これらが持続的に基準から外れる場合、原因の精査や生活習慣の見直し、投薬方法の再検討が行われることがあります。単回の軽度な変動で直ちに治療中止とならない場合もあり、再検査や経過観察が併用されます。
甲状腺ホルモン値による鑑別
甲状腺機能の異常は、抜け毛や全身のだるさなどAGAと紛らわしい症状を呈することがあります。鑑別の参考としてホルモン値が確認されることがあります。
・TSH(甲状腺刺激ホルモン)の目安:0.35~4.94 μU/mL
・FT3の目安:1.68~3.67 pg/mL
・FT4の目安:0.7~1.48 ng/dL
範囲から外れる場合、甲状腺疾患の関与が疑われることがあり、その際は適切な診療科での評価が推奨されます。甲状腺由来の脱毛が主因と判断されれば、AGA薬の効果判定や治療計画も影響を受けます。
生活習慣病リスクを把握する検査
全身状態を把握する目的で、代謝関連の項目があわせて確認されることがあります。これらはAGAの有無を直接示すものではありませんが、治療を安全に進めるうえでの背景情報となります。
・血糖値
・LDLコレステロール
・HDLコレステロール
・TG(中性脂肪)
異常が持続する場合、生活指導や基礎疾患への対処が優先されることがあります。数値の解釈は空腹時か随時か、併用薬の有無など条件によっても異なります。
PSA(前立腺特異抗原)の確認
フィナステリドやデュタステリドといった5α還元酵素阻害薬は、前立腺に作用する薬剤であり、前立腺がん検診などで用いられる腫瘍マーカー「PSA(前立腺特異抗原)」の数値に影響を与えることが知られています。特に50歳以上で前立腺がん検診を受けている、あるいは家族歴などでリスクが高い方は、投薬開始前にPSAの基準値を確認しておくことが重要です。
治療を開始すると、PSAの値はおよそ50%程度低下することがあり、検査値をそのまま解釈するとリスクを過小評価してしまう恐れがあります。そのため、6か月以上継続している患者では、測定値を“×2換算”して評価することが臨床的に目安とされています。こうした解釈の修正は医師の専門的判断に委ねられますが、患者にとっても「PSAが下がるのは薬の影響である可能性がある」と理解しておくことが安心につながります。
腎機能や電解質バランスの評価
腎機能や電解質は、全身状態や併用薬の選択に関係します。特定のAGA治療薬のみで直結して変動する項目ではありませんが、背景として把握しておくと安全性の検討に役立ちます。
・クレアチニン
・eGFR
・ナトリウム(Na)
・カリウム(K)
腎機能の低下や電解質異常がある場合は、治療の進め方やフォローの頻度が調整されることがあります。
貧血や栄養状態の指標
脱毛には多因子が関与し、鉄欠乏など栄養状態の影響が背景にあるケースもあります。AGAの診断・治療と並行して、必要に応じて以下の項目が参照されます。
・ヘモグロビン
・MCV(赤血球容積の指標)
数値の異常があれば、その是正が優先されることがあり、髪の状態の評価にも影響します。
基準値と再検査の考え方
基準範囲は「健康な人の多くが入る幅」を示す統計的な目安であり、外れたからといって直ちに疾患があるとは限りません。脱水や飲酒、採血条件、日内変動、測定法の違いなどで数値は動きます。軽度の逸脱では、時間をおいた再検査や他項目との総合判断が行われます。逆に、自覚症状や診察所見が強い場合は、基準範囲内でも追加評価が選択されることがあります。
未承認薬・適応外使用に関する補足
医療機関によっては、国内未承認薬や適応外使用を提案する場合があります。その際は、承認薬との違い、想定されるベネフィットとリスク、入手経路や費用などについて、事前に十分な説明と同意が行われます。薬機法・関連通知に則り、効果の断定的表現は避けられ、患者の利益を最優先に個別に判断されます。
結果を活かす際の注意点
血液検査は治療の可否や用量設定を一義的に決めるものではなく、医師が診察所見や既往歴、併用薬、生活習慣と合わせて解釈する材料です。数値の改善のみを目的に治療を行うことは推奨されず、患者一人ひとりの状況に応じて、観察、生活調整、追加検査、投薬の順序や組み合わせが検討されます。
AGA治療薬について

AGA治療を検討する際、多くの方が最初に気になるのが「どの薬を使えばよいのか」という点です。現在、日本国内で承認されている薬と、未承認ながら自由診療の場面で使われる薬があり、それぞれに特徴や注意点があります。血液検査は、これらの薬を安全に使用するための重要なステップであり、特に肝機能や腎機能の確認は欠かせません。ここでは代表的な治療薬であるフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル外用薬、そして国内未承認のミノキシジル内服薬について詳しく解説します。
フィナステリド
フィナステリドは、日本で最も広く使われているAGA治療薬のひとつで、商品名「プロペシア」として知られています。作用のメカニズムは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されるのを阻害することです。DHTは毛根に悪影響を与え、AGAの進行を早めるとされているため、その生成を抑えることで抜け毛の進行を防ぐことが期待されます。
ただし、フィナステリドは肝臓で代謝される薬です。そのため肝機能に異常があると薬の代謝が滞り、体内での薬物濃度が高まって副作用のリスクが増す可能性があります。血液検査でASTやALT、γ-GTPといった肝機能の数値を確認することは、安全に投薬を行ううえで非常に重要です。また、稀ではありますが性機能に関する副作用や抑うつ気分が報告されているため、患者ごとの体調や既往歴に応じて慎重に使用されます。
さらに、フィナステリドの服用中には、抑うつ感や不安感、意欲の低下など精神面への影響が生じる可能性があると報告されています。頻度は高くありませんが、気分の落ち込みや日常生活への意欲低下を自覚した場合は、服薬を続けるかどうかを含めて速やかに医師へ相談することが推奨されます。
デュタステリド
デュタステリドはフィナステリドと同じくDHTの生成を抑える薬ですが、作用する酵素の種類が異なるため、より広範囲にDHTを抑制するとされています。商品名としては「ザガーロ」が有名です。効果の面ではフィナステリドよりも強力とされる一方で、副作用リスクもやや高いと考えられています。
この薬も肝臓で代謝されるため、投与前に肝機能をチェックすることが推奨されます。血液検査で異常があれば、投薬を避けたり、経過観察を行ったうえで治療方針を決定する流れになります。また、デュタステリドは半減期が非常に長く、体内に残りやすいという特徴があります。そのため副作用が出た場合に症状が長引く可能性があり、投与前の血液検査と継続的な健康チェックが欠かせません。
加えて、デュタステリドの服用においても、抑うつ傾向や不安感など精神面に関する副作用が一部で報告されています。強力にホルモン環境へ作用する薬であるため、身体症状だけでなく心理的な変化にも注意が必要です。服薬開始後に気分の変調や生活への意欲低下を感じた場合は、無理をせず医師に伝えることが重要です。
ミノキシジル外用薬
ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として開発されましたが、血管拡張作用により毛包への血流を改善する効果が見出され、外用薬として承認されるに至りました。日本国内では「リアップ」などが代表的な製品です。外用薬は頭皮に直接塗布するため、全身への影響は比較的少なく、血液検査と直結する副作用リスクは高くありません。
ただし、頭皮にかゆみや発疹などの局所的な副作用が出ることがあり、敏感肌の人や皮膚に炎症がある人は注意が必要です。また、ごく稀に血圧低下や動悸といった全身的な副作用が報告されることもあります。通常の健康診断や血液検査の数値に大きな影響を与える薬ではありませんが、心疾患や循環器系に持病がある人は医師に相談のうえ使用することが望まれます。
ミノキシジル内服薬
一方で、海外ではミノキシジルの内服薬もAGA治療に使われています。外用薬よりも全身に作用するため、発毛効果が高いと報告されている一方で、副作用のリスクも大きくなります。日本国内では未承認の薬であり、通常の診療では処方されませんが、一部のAGA専門クリニックでは自由診療として提供されるケースもあります。
ミノキシジル内服薬の副作用には、低血圧、動悸、浮腫、多毛症などが挙げられます。循環器系や腎機能に負担がかかるため、血液検査による健康状態の把握は必須です。肝機能や腎機能の確認はもちろん、電解質バランスや心電図のチェックも行われることがあります。血圧が低めの人や心疾患の既往がある人には特に注意が必要で、医師の慎重な判断が求められます。
さらに重要なのは、国内で承認されていないため、公的な安全性や有効性の保証がないという点です。海外の研究では低用量(1〜2.5mg程度)であれば副作用リスクが少なく、発毛効果も見込めるとされていますが、日本人に同じ結果が当てはまるとは限りません。体格や体質、既往歴によって薬の代謝は異なるため、海外データはあくまで参考にとどめる必要があります。
承認薬と未承認薬の違いを理解する
フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジル外用薬は日本で承認されているため、医師の指導のもとで比較的安心して使用できます。一方で、ミノキシジル内服薬は国内未承認であり、自由診療に限られる点を理解しておく必要があります。承認薬と未承認薬の違いは、単に「効果があるかどうか」だけでなく、安全性や副作用リスク、使用環境に大きな差があるということです。
血液検査は、こうした薬の違いを踏まえ、患者ごとに安全に投薬できるかどうかを見極めるためのツールです。治療薬の選択に迷った場合は、必ず医師と相談し、リスクとベネフィットを比較しながら決定することが大切です。特に未承認薬の使用を検討する際には、情報を十分に集め、医師からの説明を受けて納得したうえで判断することが求められます。
このように、AGA治療薬にはそれぞれ特徴とリスクがあり、血液検査はその安全性を確保するために欠かせないプロセスです。承認薬と未承認薬の違いを理解し、自身の体質や健康状態に合った方法を選ぶことが、安心してAGA治療を進めるための第一歩となります。
検査の進め方と診療形態

AGA治療に関連する血液検査は、主に「医療機関での対面診療」と「オンライン診療を通じた自宅採血」の2つの形態があります。いずれもAGAそのものを診断するものではなく、治療を安全に行うための補助的な情報を得ることを目的としています。ここでは、それぞれの方法や流れについて整理します。
※オンライン診療は厚労省の指針に沿って、医師の指示・患者の合意のもとで実施されます。検査キットの項目は医療機関へ事前確認してください。
参照:厚生労働省 オンライン診療について
医療機関での採血の流れ
対面診療を行う病院やクリニックでは、初診時に採血を伴う血液検査が実施されることがあります。これは脱毛の進行度を確認する診察に加え、全身の健康状態を客観的に把握するためのプロセスです。検査内容や流れは医療機関により差がありますが、おおよその手順は以下の通りです。
・予約や受付
・問診・視診(脱毛状態や生活習慣の確認)
・採血(結果判明まで数日〜1週間かかる場合もある)
・後日の検査結果説明
・治療方針の決定(必要に応じて投薬などを検討)
もし血液検査で異常値がみられた場合には、追加の精密検査や専門科への紹介が行われることがあります。特に肝機能やホルモン関連の数値に異常があると、内服薬の使用が制限されることもあるため、医師の慎重な判断が必要です。
オンライン診療と自宅採血
近年は、通院の負担を減らす方法としてオンライン診療を選ぶ人も増えています。オンライン診療では、医師とのビデオ通話やオンライン問診に加え、自宅で採血ができるキットを利用して血液検査を行う流れが一般的です。手順の一例は以下の通りです。
・スマートフォンやPCで予約・問診
・オンライン診察(ビデオ通話など)
・血液検査キットを自宅に配送
・手順書に従って自宅で採血し検体を返送
・後日オンラインで結果を確認
・結果を踏まえて再診、治療方針を検討
血液検査キットには使用方法が詳細に記載されており、採血が初めての人でも利用できるよう工夫されています。ただし、測定できる項目はキットにより異なるため、必要な検査が含まれているかどうかは医療機関に確認することが推奨されます。
血液検査の費用目安
血液検査にかかる費用は、診療形態や検査項目の数によって幅があります。AGA治療に付随して行われる場合、多くは自由診療扱いとなりますが、医師が他の疾患の診断に必要と判断した場合には健康保険が適用されることもあります。
一般的な目安として、1回あたり5,000〜10,000円前後とされることが多いですが、遺伝子検査などを追加すると数万円になるケースもあります。オンライン診療で用いられる採血キットも、数千円から数万円まで幅があり、サービス内容や検査項目によって費用が変わりるため、詳細・割引等の有無は各医療機関の最新情報をご確認ください。
AGA血液検査で投薬が難しい場合の選択肢

血液検査の結果によっては、肝機能の低下や甲状腺ホルモンの異常などが確認され、内服薬でのAGA治療が適さないと判断されることがあります。しかし、AGA対策には内服薬以外にも選択肢があり、服用が難しい場合でも取り組める方法があります。ここでは、代表的な代替手段を紹介します。
外用薬とセルフケアの活用
内服薬が使えない場合、外用薬による治療が選択肢となります。ミノキシジル外用は承認された適応の範囲で有効性が確認されている一方で作用機序の詳細は十分に解明されていないとされています。ただし副作用の可能性もあるため、使用前に添付文書や医師の説明を確認し、適切に用いることが重要です。
参照:起原又は発見の経緯及び外国における使用状況等
参照:ミノキジジルローション5%「JG」
加えて、日常的な頭皮環境の見直しも有効です。刺激の少ないシャンプーを選び、爪を立てず指の腹で洗うこと、過剰な皮脂を落としすぎないよう注意することが頭皮の健全性を保つ助けになります。これらはあくまで補助的なケアであり、効果には個人差があります。
生活習慣を整えるアプローチ
生活習慣を整えることもAGA対策の一環です。髪の健康には栄養、睡眠、血流が関わっており、日常の見直しによって頭皮環境を良好に保てる可能性があります。
・栄養バランスのとれた食事(タンパク質・亜鉛・ビタミンB群などを意識)
・十分な睡眠と睡眠の質向上
・適度な運動による血流改善
・ストレスを溜めない生活習慣
・禁煙や飲酒の抑制
これらを実践することで直接的にAGAを治療できるわけではありませんが、頭皮環境を整える補助的な手段となり得ます。
血液検査に関するよくある疑問

血液検査については不安や疑問を持つ人も少なくありません。ここではよく寄せられる質問と考え方を紹介します。
健康診断の結果を利用できるか
健康診断で行われる血液検査には、肝機能や血糖値などAGA治療に参考になる項目も含まれています。しかし、一般的な健康診断では甲状腺ホルモンや詳細な肝機能検査は行われないことが多く、AGA治療に必要な情報が不足する場合があります。さらに、検査から6か月以上経過していると最新の健康状態を反映しないため、再検査を勧められることがあります。必ず医師に相談し、必要項目を確認することが大切です。
検査はどのくらいの頻度で必要か
AGA治療を始める際には、まず一度血液検査を受けることが推奨されます。治療開始時の評価に加え、副作用や体調変化に応じて医師が必要に応じて検査を行います(頻度は個別判断)副作用や体調変化があれば、この頻度にかかわらず速やかに再検査を受ける必要があります。頻度は患者の状態や治療内容によって変わるため、必ず主治医と相談してください。
安全なAGA治療の第一歩として

AGA治療を安心して進めるためには、血液検査を通じて体質や健康状態を把握することが重要です。これにより、治療薬の選択や副作用リスクを減らすことが可能になります。
通院の時間がとれない人は、オンライン診療と血液検査キットの活用も検討できます。自宅で採血し検査結果をオンラインで確認できる仕組みは、忙しい人にとって有用な選択肢です。いずれの場合も医師の診断を受けながら、無理のない方法でAGA治療を始めていくことが勧められます。
参照リンク

AGA全般に関する情報
・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版 – 日本皮膚科学会
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
・男性型脱毛症(AGA)の原因と治療法 – 日本メンズヘルス医学会
https://jsmh.jp/menshealth/
血液検査の基礎知識(肝機能・甲状腺ホルモン・貧血・生活習慣病など)
・特定健康診査の検査項目 – e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-04-005.html
・甲状腺機能低下症の症状と診断 – 日本内分泌学会
https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=38
AGA治療薬(フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル)の安全性・副作用情報
・プロペシア(男性型脱毛症用薬)に関する注意喚起 – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1a.html
・医薬品副作用被害救済制度の案内 – PMDA(医薬品医療機器総合機構)
https://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html
オンライン診療や自宅採血に関する制度・ガイドライン情報
・オンライン診療について – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html
AGA関連の遺伝子検査に関する考え方・留意点
・拡がる遺伝子検査市場への重大な懸念表明 – 日本医学会(厚生労働省 提出資料)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/160127_task_t3.pdf