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    • AGAと円形脱毛症はどう違う?見分け方・併発・治療法まで完全解説
    2025.12.15    

    AGAと円形脱毛症はどう違う?見分け方・併発・治療法まで完全解説

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    AGAと円形脱毛症について

    1.タイトル入ります

    【ご注意】
    本記事では、AGAや円形脱毛症の治療に関して、国内で承認されている医薬品や治療法に加え、一部では未承認の薬や自由診療として行われる治療法についても言及しています。未承認の薬や治療法は、日本国内において安全性や有効性が必ずしも確立されていないため、使用にあたっては医師の判断と適切な管理が不可欠です。

    記事内の情報は一般的な医学知識の紹介を目的としたものであり、特定の治療法を推奨するものではありません。実際の治療を検討される場合は、必ず医師にご相談ください。


    AGAと円形脱毛症がよく混同される理由

    薄毛の悩みを抱える人は年齢や性別を問わず増えています。特に日本では、男性の約3人に1人が将来的にAGA(男性型脱毛症)を発症するといわれており、女性の間でも加齢やホルモンバランスの変化に伴う薄毛が目立つようになってきました。一方で、子どもから大人まで誰にでも起こる可能性のある「円形脱毛症」も決して珍しいものではありません。

    しかし、多くの人にとって「抜け毛=同じ原因」と考えてしまう傾向があり、AGAと円形脱毛症を混同してしまうことが少なくありません。たとえば、生え際が後退してきたと感じると「円形脱毛症かもしれない」と思う人もいれば、急に頭皮の一部に円形の脱毛班が現れても「AGAが進行してきた」と誤解する人もいます。このように、見た目だけでは判断が難しい場面があるため、両者の区別は非常に重要です。


    なぜ正しく見分けることが大切なのか

    AGAと円形脱毛症は「髪が抜ける」という点では共通していますが、原因・進行の仕方・治療法がまったく異なります。AGAは男性ホルモンの影響が強く関わっており、進行性で自然に治ることはありません。そのため、放置してしまうと薄毛が広がり、治療を始めたときには進行がかなり進んでいるケースもあります。

    一方、円形脱毛症は自己免疫の異常などが関与しており、急速に症状が出ることがあります。ただし軽症であれば自然に回復することもありますし、重症化すると全頭や全身に広がるケースもあります。つまり「一般に進行性で悪化することが多いAGA」と「自然治癒する可能性がある円形脱毛症」という大きな違いがあるのです。

    この違いを理解しないまま誤った自己判断で市販の育毛剤を使ったり、AGA向けの薬を試してしまったりすると、期待した効果が得られずに時間やお金を無駄にしてしまうことになります。場合によっては症状が長引くリスクもあるため、正しく見分けることは治療の第一歩といえます。


    誰にでも起こり得る身近な症状

    「AGA=男性だけ」「円形脱毛症=ストレスで一部が抜けるだけ」といったイメージは一般的に広まっていますが、実際にはもっと複雑です。AGAは男性に多いものの、女性にも「女性型脱毛症(FAGA)」という形で現れることがあります。女性の場合は生え際が大きく後退することは少なく、分け目や頭頂部が薄くなる「びまん性脱毛」が特徴的です。特に40代以降、閉経を迎える頃にホルモンバランスの変化から発症しやすくなります。

    円形脱毛症は性別や年齢を問わず発症する可能性があり、小児期に起こるケースも少なくありません。小学生の子どもが急に円形の脱毛班を見つけてショックを受けることもありますし、働き盛りの世代が精神的ストレスをきっかけに発症することもあります。さらに高齢者でも免疫の変化によって発症することがあるなど、まさに「誰にでも起こり得る身近な病気」です。

    このように考えると、薄毛の悩みは特定の人に限られた問題ではなく、誰にとっても身近な健康課題であることがわかります。AGAと円形脱毛症を区別して理解しておくことは、自分だけでなく家族や身近な人をサポートするうえでも役立ちます。


    薄毛が生活に与える影響

    髪は見た目の印象を大きく左右する要素です。そのため薄毛は「老けて見える」「自信を失う」といった心理的な影響を及ぼしやすいといわれています。特に日本では髪の毛を美や若さの象徴としてとらえる文化が根強く、少しの抜け毛でも不安になる人が少なくありません。

    また、薄毛の悩みは外見だけでなく生活にも影響します。たとえば人前に出ることを避けたり、仕事でのコミュニケーションに消極的になったりする人もいます。さらに、女性では髪型を自由に楽しめないことがストレスになるケースも多く報告されています。

    AGAや円形脱毛症が与える影響は単なる「髪の問題」にとどまらず、メンタルヘルスやQOL(生活の質)に直結するものなのです。


    正しい情報と早めの行動がカギ

    インターネットやSNSには薄毛対策に関する多くの情報があふれていますが、中には科学的根拠に乏しいものや、誇大な効果をうたう商品も少なくありません。特に「短期間で必ず発毛」「誰でも効果が出る」といった表現は景表法や薬機法に抵触する可能性があり、注意が必要です。

    信頼できるのは、医師の診断や学会のガイドラインに基づいた治療法です。AGAに関してはフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジル外用薬が広く知られています。さらに、ミノキシジルには内服薬の形態もありますが、日本で承認されているのは外用薬のみです。内服薬はもともと降圧剤として使われてきた薬であり、発毛目的では未承認です。全身に作用するため副作用リスクも大きく、有効性・安全性が外用薬より優れていると確立されているわけではありません。そのため、使用を検討する場合は必ず医師と相談する必要があります。

    円形脱毛症に関しては、近年、自己免疫疾患として位置づけられており、そのために、ステロイド療法や免疫に働きかける治療法が検討されます。近年では、重症例を対象にJAK阻害薬(2022年にバリシチニブ[オルミエント]、2023年にリトレシチニブ[リットフーロ]が承認)が保険診療で使用可能となり、新たな選択肢が加わりました。ステロイド外用薬などは保険診療で広く行われていますが、局所免疫療法(ジフェンシプロン〔DPCP〕など)は日本国内では未承認の治療であり、限られた専門施設のみで実施されています。実施には日本皮膚科学会が定める安全使用マニュアルに沿った管理が必要です。

    いずれの治療法もすべての人に同じ効果が得られるわけではなく、効果の有無や程度には個人差があります。自己判断で治療法を選ぶのではなく、必ず医師に相談し、自分に合った方法を見つけることが大切です。

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    AGAと円形脱毛症の違いを整理する

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    発症年齢と性別の特徴

    AGAは「男性型脱毛症」と呼ばれるように、男性に多くみられる薄毛の症状です。発症するのは思春期以降で、20代後半から30代にかけて症状が目立つ人が増えます。さらに40代以降になると進行が顕著になり、放置すれば薄毛の範囲は広がっていきます。AGAの進行には男性ホルモンの影響が大きく関わっており、特に遺伝的な要素があると発症リスクが高まります。そのため、父親や祖父が若い頃から薄毛だった場合には、自身もAGAになる可能性があると考えられています。

    ただし、AGAは男性だけの問題ではありません。女性にも「女性型脱毛症(FAGA)」と呼ばれる症状があります。女性の薄毛は男性のように生え際が大きく後退するケースは少なく、頭頂部や分け目を中心に全体的に毛が細くなる、いわゆるびまん性の脱毛が多いのが特徴です。特にホルモンバランスの変化が大きい出産後や閉経後に発症しやすく、40代以降の女性に目立ちやすくなります。このように、AGAは男性に多いものの女性にも起こり得る病気であり、年齢や性別による傾向の違いが見られる点が特徴的です。

    一方で円形脱毛症は、年齢や性別を問わず誰にでも発症する可能性があります。小さな子どもから高齢者まで幅広い層で見られる疾患で、特定の年代に偏ることはありません。男性と女性のどちらにも起こるため、「薄毛=男性の問題」という先入観を覆す代表的な疾患といえます。発症年齢や性別に特徴があるAGAと比べ、円形脱毛症はまさに「誰にでも起こり得る病気」であることが大きな違いです。


    髪の抜け方と進行スピードの違い

    AGAと円形脱毛症では、髪の抜け方や進行のスピードにも明確な差があります。AGAの場合、髪はまず細くなり、その後少しずつ密度が減っていきます。髪が短く弱々しくなることで全体的なボリュームが失われ、生え際や頭頂部を中心に薄毛が目立つようになります。抜け毛の形には一定のパターンがあり、額の両端が下がる「M字型」、頭頂部が円形に薄くなる「O字型」、額と頭頂部の両方から進行する「U字型」などが代表的です。このように進行に一貫した傾向が見られるため、AGAの症状は「じわじわと長い時間をかけて広がっていく薄毛」と表現されます。

    対して円形脱毛症は進行が非常に速いことが多く、数日から数週間の間に突然脱毛班が出現します。脱毛班はコインのように丸い形で現れ、その境界がはっきりしているのが特徴です。症状が1か所だけで済むこともあれば、複数に現れる場合もあります。重症化すると頭皮全体の髪が抜ける「全頭型」や、体毛まで抜ける「汎発型」へ進行するケースもあります。AGAのように長い年月をかけて進むのではなく、急速に症状が広がるという点で、両者の違いは非常に大きいといえます。


    原因の根本的な相違点

    AGAの原因は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)にあります。DHTは毛包に作用し、髪の成長を妨げてしまいます。通常、髪は「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルを繰り返しながら生え変わっていますが、DHTが強く作用すると成長期が極端に短くなり、十分に育たないまま抜けてしまいます。その結果、髪が細く短くなり、最終的には毛が生えにくい状態へと進行していくのです。AGAはこうしたホルモン作用と遺伝の影響が重なって起こるもので、環境要因よりも体質に左右されやすい特徴があります。

    これに対して円形脱毛症は、自己免疫の異常が主な原因とされています。本来なら外敵を攻撃するはずの免疫システムが、誤って自分の毛根を攻撃してしまうことで炎症が起こり、髪が抜けてしまうのです。遺伝やアトピー性疾患、アレルギー体質なども発症のリスクを高める要因と考えられています。精神的ストレスが直接の原因とされることは少ないものの、免疫バランスを乱す一因として発症や悪化を招く可能性がある点も見逃せません。AGAが「ホルモンと遺伝」の影響を強く受けるのに対し、円形脱毛症は「免疫や体質の異常」が中心であるという点で、両者は根本から異なる疾患なのです。


    セルフチェックで気をつけたいポイント

    AGAと円形脱毛症は、医師の診断を受けることが最も確実ですが、日常生活の中で自分の症状を観察することも大切です。AGAの場合は、生え際や頭頂部の毛が細くなり、全体的にボリュームが減っていくのを感じやすくなります。「最近、髪型が決まりにくい」「分け目が広がった気がする」といった小さな変化が初期症状として表れることもあります。こうした変化が数か月から数年にわたってゆっくり進行している場合は、AGAの可能性が考えられます。

    円形脱毛症では、ある日突然、丸い脱毛班ができることが多いため、変化に気づきやすいのが特徴です。脱毛班の境界がくっきりしているかどうかを確認することで、AGAとの違いを判断する手がかりになります。さらに、円形脱毛症は進行が早いため、「昨日はなかったのに今朝ははっきり抜けている」というような急激な変化がある場合は、早めに受診を検討すべきです。

    ただし、AGAと円形脱毛症が同時に発症する「併発」も存在します。AGAの進行による薄毛の中に、円形脱毛症特有の丸い脱毛班が現れると、見分けるのはさらに難しくなります。こうしたケースでは自己判断での対応が難しく、専門医の診察が欠かせません。

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    AGAと円形脱毛症の見分け方

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    頭皮の状態と脱毛斑の形状を観察する

    AGAと円形脱毛症を見分ける最も分かりやすいポイントは、頭皮の状態や脱毛の形です。AGAでは、髪の毛が少しずつ細くなり、やがて抜けていきます。その結果、生え際や頭頂部を中心に、全体的に髪が薄くなっていきます。境界はあいまいで、「ここから先がはっきり抜けている」という印象ではなく、全体的に髪の密度が減っているように見えるのが特徴です。鏡を見たときに「髪全体のボリュームが落ちてきた」「頭頂部の地肌が透けてきた」と感じることが多いでしょう。

    一方、円形脱毛症の場合は境界がはっきりしており、丸や楕円形の脱毛班が突然現れます。指で触れると地肌がむき出しになっており、周囲の髪との境目が明確です。1か所だけのこともあれば、複数の脱毛班が出てくることもあります。症状が進行すると全頭に広がるケースもあるため、「髪全体が薄い」AGAとは異なる見え方をします。こうした違いを観察することで、ある程度の区別は可能です。


    経過のスピードから判断するヒント

    脱毛の進み方を時間の経過で比べると、両者の違いはさらに明確になります。AGAは数年単位で少しずつ進行します。髪が細くなり、徐々に抜けることで薄毛が広がっていくため、「気づいたら進んでいた」というケースが多く、発症の瞬間を自覚することはほとんどありません。20代で初期の兆候が出ても、本人が「薄毛になった」とはっきり意識するのは30代や40代に入ってからという場合もあります。

    これに対して円形脱毛症は進行が速く、数日から数週間の間に目に見える脱毛が生じることが珍しくありません。昨日まで何ともなかったのに、翌朝鏡を見たら10円玉大の脱毛班ができていた、というような急激な変化が典型例です。短期間で変化が起こることは大きな特徴であり、「急速に進行した」という自覚がある場合には円形脱毛症の可能性を疑うべきです。


    症状の現れ方に注目する

    AGAは頭皮の特定の部位から始まります。多くは額の生え際や頭頂部で、徐々に範囲を広げながら進行していきます。そのため、全体的に髪が薄くなるよりも「特定の部位が気になる」という形で症状を意識することが多いです。鏡を見たときに「おでこが広がってきた」「頭頂部の髪が減っている」といった変化に気づくのは典型的なAGAのサインです。

    円形脱毛症の場合は「ある日突然、一部がごっそり抜ける」という症状の出方をします。特定の場所に丸い脱毛班ができるため、部分的な異常としてすぐに気づきやすい傾向があります。1か所だけの場合もあれば、複数が同時に出てくることもあり、進行すると帯状や全体的な脱毛に広がるケースもあります。発症の仕方が急である点で、AGAと大きく異なります。


    自己判断が難しいケース

    ただし、必ずしも自己観察だけで区別できるわけではありません。AGAの進行中に部分的な脱毛が強く出て、円形脱毛症に似た見た目になることがあります。逆に円形脱毛症が多発し、頭皮全体に脱毛班が広がった場合には、AGAのように全体的に髪が薄く見えることもあります。さらに、AGAと円形脱毛症が同時に発症する「併発」も存在します。AGAの進行で生え際が後退している中に、円形の脱毛班が現れると、どちらの要因によるものなのか区別がつきにくくなるのです。

    こうしたケースでは、見た目だけでは判断が難しく、自己判断で対応するのは危険です。誤った判断に基づいて市販薬を使ったり、生活習慣の改善だけで対応しようとしたりすると、適切な治療の開始が遅れてしまう恐れがあります。


    医師の診断を受けることの重要性

    最終的にAGAか円形脱毛症かを確実に見分けるには、医師による診断が不可欠です。皮膚科や薄毛専門のクリニックでは、頭皮の状態を詳しく観察したり、必要に応じて血液検査や皮膚生検を行ったりすることで診断を行います。こうした検査を通じて、ホルモンや免疫の状態を確認できるため、どちらの脱毛症かをより正確に見分けられます。
    また、診断を受けることで、症状に応じた治療法を選択することが可能になります。AGAにはフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジル外用薬などが用いられるほか、一部の医療機関では未承認のミノキシジル内服薬を自由診療で扱う場合があります。ただし、国内で承認されているのは外用薬のみであり、内服薬の有効性や安全性が外用薬より優れていると証明されているわけではありません。副作用への配慮が必要で、必ず医師の管理下で判断されます。自己判断での使用は避け、必ず医師に相談することが前提です。

    一方、円形脱毛症にはステロイド療法や局所免疫療法など、AGAとは異なるアプローチが必要になります。ステロイド外用薬などは保険診療で行われることが多い一方、局所免疫療法など一部の方法は日本国内で未承認であり、限られた医療機関でのみ実施されています。いずれの場合も、自己判断で誤った治療を続けると改善が遅れるだけでなく、副作用のリスクも高まるため、専門的な診断を受けることが非常に重要です。

    「なんとなくAGAだろう」「たぶん円形脱毛症だと思う」と決めつけてしまう前に、一度医師に相談することが望ましいのです。

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    円形脱毛症の特徴と原因

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    典型的な症状と種類(単発型・多発型・全頭型など)

    円形脱毛症は、ある日突然、頭皮の一部に円形や楕円形の脱毛班が現れるのが特徴です。その境界ははっきりしており、まるでコンパスで描いたような丸い形になることから「10円ハゲ」と呼ばれることもあります。大きさは数センチ程度のことが多いですが、人によってはもっと小さい斑点状の脱毛から始まることもありますし、逆に広範囲に及ぶこともあります。

    症状の現れ方にはいくつかのタイプがあり、最も一般的なのは「単発型」と呼ばれるものです。頭皮の一部に1か所だけ円形の脱毛が出現するケースで、比較的軽症に分類されます。軽度の単発型は数か月で自然に回復することもあり、医師の治療を受けなくても髪が生えてくることがあります。

    しかし、複数の脱毛班が同時に現れる「多発型」では、症状が広範囲に及ぶため目立ちやすく、自然回復の可能性も低下します。さらに重症化すると、頭皮全体の髪が抜けてしまう「全頭型」や、体毛全般に脱毛が及ぶ「汎発型」へと進行することがあります。こうなると自然回復はほとんど期待できず、専門的な治療が必要になります。

    また、円形脱毛症には「蛇行型」と呼ばれる珍しいタイプも存在します。これは耳の後ろや側頭部などに帯状に脱毛が広がっていくもので、進行性が強いとされています。このように、円形脱毛症にはさまざまなタイプがあり、その重症度によって経過や治療の選択肢が大きく変わるのです。


    遺伝や体質との関連

    円形脱毛症は自己免疫疾患の一つと考えられていますが、その発症には遺伝的な要因が関与しているといわれています。家族の中に円形脱毛症を発症した人がいる場合、自分も発症する確率がやや高くなることが報告されています。特にアトピー性皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎といったアトピー素因を持つ家系では、円形脱毛症を発症するリスクが高まる傾向があります。

    遺伝が関与しているといっても、必ずしも「親が発症すれば子も発症する」という単純なものではありません。体質として免疫バランスが不安定になりやすい素因を持っている人が、あるきっかけで症状を発症しやすくなる、という考え方がより近いでしょう。つまり、遺伝は「発症しやすい土台」をつくる要因のひとつにすぎず、実際に発症するかどうかは他の要素との組み合わせによって決まるのです。


    自己免疫の異常による影響

    現在、円形脱毛症の最も有力な原因とされているのが「自己免疫反応」です。本来であれば体を守るために働く免疫システムが、誤って毛根を外敵と認識し、攻撃してしまうのです。その結果、毛根の周囲に炎症が起こり、髪が成長できなくなって脱毛が生じます。顕微鏡で観察すると、毛包の周囲にリンパ球が集まっているのが確認されることからも、自己免疫が強く関与していることがわかります。

    免疫が毛根を攻撃する理由は完全には解明されていませんが、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。遺伝的素因のほか、環境因子や感染症、精神的ストレスなどが免疫系に影響を与え、結果として毛根がターゲットになってしまうという仮説があります。こうした免疫の異常は一時的なものにとどまることもあれば、慢性的に続いて再発を繰り返す場合もあります。


    アトピーやアレルギーとの関係

    円形脱毛症の患者の中には、アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症といったアレルギー疾患を併発している人が多いことが知られています。これは、免疫システムの働き方に共通点があるからです。アトピーやアレルギー体質を持つ人は、外部の刺激に対して過敏に反応しやすく、免疫が暴走しやすい状態にあります。その延長線上で毛根が攻撃対象となり、円形脱毛症が発症すると考えられています。

    特に小児期にアトピーや喘息を経験した人が、大人になってから円形脱毛症を発症するケースもあります。アレルギー体質が必ずしも円形脱毛症を引き起こすわけではありませんが、発症リスクを高める一因になっていることは確かです。


    ストレスは直接原因ではなく悪化因子

    円形脱毛症といえば「ストレスが原因」というイメージを持つ人も多いでしょう。確かに、強い精神的ショックを受けた後に円形脱毛症を発症した、という患者の声は少なくありません。しかし、最新の研究では「ストレスそのものが直接の原因になるわけではない」と考えられています。ストレスは免疫機能を乱す要因のひとつであり、もともと発症しやすい体質の人に対して引き金となったり、症状を悪化させたりする働きを持つと理解されています。

    たとえば、仕事の多忙さや人間関係のトラブルで強いストレスを受けたときに、免疫バランスが崩れて毛根への攻撃が活発化し、円形脱毛症が発症することがあります。また、発症後に「人に見られるのが恥ずかしい」「治らないのではないか」という不安からストレスが増大し、そのことが再び症状を悪化させる悪循環に陥るケースもあります。ストレスは単独で原因となるのではなく、発症や悪化を助長する因子として大きな役割を果たしているのです。


    円形脱毛症の経過と再発の可能性

    円形脱毛症の経過は人によって大きく異なります。軽度の単発型であれば数か月以内に自然に回復することもありますが、多発型や全頭型では長期にわたって症状が続くことが少なくありません。さらに、円形脱毛症は再発しやすい病気でもあります。一度治っても、数年後に再び発症するケースが珍しくなく、慢性的に繰り返す人もいます。

    こうした経過の不確実さは、患者の生活に大きな影響を与えます。脱毛そのものよりも「いつまた再発するかわからない」という不安が精神的な負担になり、生活の質を下げてしまうこともあります。だからこそ、円形脱毛症は単なる美容上の問題ではなく、医療的に適切なケアが求められる疾患だといえるのです。

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    AGAと円形脱毛症が併発するケース

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    併発が起こるメカニズム

    AGAと円形脱毛症は、原因も発症の仕組みも異なる疾患です。しかし両者が同時に存在する、いわゆる「併発」のケースが確認されています。AGAは男性ホルモンの影響で毛根が徐々に弱り、髪が細く短くなって進行していくのに対し、円形脱毛症は自己免疫が毛根を攻撃することで突然脱毛班が出現します。この二つが重なると、進行性の薄毛と突発的な脱毛が同時に起こり、症状はより複雑になります。

    なぜ併発が起こるのか、明確な答えはまだありません。ただし、AGAを抱えている人はすでに髪の毛が弱くなっているため、免疫の異常によって毛根が攻撃されたときに症状が表に出やすい可能性があります。逆に、円形脱毛症を経験している人が加齢やホルモンバランスの影響を受けると、AGAの発症リスクが高まると考えられます。つまり、両者は全く別の疾患でありながら、同じ頭皮上で影響し合うことがあるのです。


    診断が難しくなる理由

    AGAと円形脱毛症が併発すると、診断は一層難しくなります。通常であれば、AGAは「生え際や頭頂部から徐々に進行する薄毛」、円形脱毛症は「境界が明確な円形の脱毛班」という見た目の違いで区別が可能です。しかし、両方が同時に起こると、薄毛と円形の脱毛が入り混じり、典型的なパターンが崩れてしまいます。

    たとえば、生え際が後退しているAGA患者の頭頂部に、突然コイン大の脱毛班が現れると、見た目はAGAの進行なのか円形脱毛症なのか判断しづらくなります。また、円形脱毛症が多発している患者の中で頭頂部の毛が全体的に細くなっている場合には、「多発型円形脱毛症」なのか「円形脱毛症とAGAの併発」なのかを見分けるのが難しくなります。

    診断には頭皮の詳細な観察が欠かせません。医師は髪の太さや毛根の状態を確認し、必要に応じて血液検査や皮膚の組織検査を行うことで、どちらの疾患が関与しているのかを判断します。専門家でも慎重に見極める必要があるほど、併発は複雑な症状なのです。


    治療が複雑になる背景

    併発が確認された場合、治療は単独の疾患よりも難しくなります。AGAにはフィナステリドやデュタステリドといった内服薬、ミノキシジル外用薬などが標準的に用いられます。これらは男性ホルモンの影響を抑える、あるいは毛根の血流を改善することで発毛を促します。

    ミノキシジルには内服薬の形もありますが、日本で承認されているのは外用薬のみです。内服薬は降圧剤として開発されたもので、発毛目的での使用は未承認です。外用薬より効果が高いと保証されているわけではなく、副作用リスクも伴うため、自由診療の範囲で医師が慎重に判断します。副作用管理を含めて医師の適切なサポートが前提となり、安易な自己使用は避けるべきです。選択肢のひとつとして取り入れられることもありますが、安全性や適応については必ず専門医と相談する必要があります。

    こうした治療はAGAには有効とされる一方で、円形脱毛症に対しては効果が期待できません。そのため、併発がある場合には、二つの疾患それぞれに応じた治療を並行して行う必要があります。

    円形脱毛症にはステロイド局所注射や外用薬など保険診療で行われる治療のほか、重症例ではJAK阻害薬(オルミエント/リットフーロ)が承認済みで選択肢となるほか、局所免疫療法や紫外線療法といった未承認の方法が用いられることもあります。ただし、これらはいずれもAGAの進行を食い止めることはできません。つまり、AGAと円形脱毛症が併発している場合には、双方に合わせた治療を並行して行う必要があります。患者の体質や副作用リスク、ライフスタイルを考慮しながら、医師と相談して最適な組み合わせを見つけていくことが求められます。

    また、併発すると治療にかかる時間も長くなりがちです。AGAは長期的に継続することで効果が出る治療であり、円形脱毛症は再発を繰り返すことがあります。両者を同時に管理するには、患者本人の根気と医師の継続的なサポートが不可欠です。


    精神的負担が大きくなる併発例

    AGAと円形脱毛症が併発すると、見た目の変化が急速かつ広範囲に及ぶため、患者の精神的負担は非常に大きくなります。AGAだけであれば数年かけて進行するため徐々に変化に慣れることができますが、円形脱毛症は突然の変化をもたらします。その結果、ある日を境に見た目が大きく変わり、本人や周囲の人が驚くほどの変化が起こることもあります。

    「少しずつ進行する薄毛」と「突然現れる脱毛班」が同時に存在することで、自分の外見に対する不安が強まり、日常生活に支障をきたすことがあります。外出や人との会話を避けるようになったり、仕事や学業に集中できなくなったりする例もあり、メンタルケアも含めた支援が必要です。


    医師に相談するタイミング

    脱毛症状が出たときに、自己判断で「これはAGAだ」「円形脱毛症だ」と決めつけてしまうのは危険です。特に両者の併発が疑われる場合には、医師の診断を早めに受けることが大切です。診察では、頭皮の状態や髪の太さ、毛根の状態をチェックし、必要であれば血液検査でホルモンや免疫の状態を確認します。そうすることで、AGAと円形脱毛症のどちらが主体となっているのか、あるいは本当に併発しているのかを見極めることができます。

    治療を始めるタイミングを逃すと、AGAは進行し続けますし、円形脱毛症も広がってしまう可能性があります。早期に正しい診断を受け、適切な治療を開始することが、併発ケースを管理するうえで最も重要です。

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    AGAと円形脱毛症の治療の違い

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    AGA治療の基本(フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル)

    AGAの治療は、医学的に有効性が示されている方法が複数あり、その中でも「内服薬」と「外用薬」を組み合わせた治療が広く行われています。内服薬として代表的なのがフィナステリドやデュタステリドで、いずれも男性ホルモンの働きに関与する薬です。具体的には、男性ホルモンの一種テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを抑えることで、毛根への負担を減らし、髪の成長期を維持しやすくする作用が期待されています。

    ただし、女性や未成年には適応がなく、特に妊婦が薬に触れることは胎児への影響が懸念されるため禁忌とされています。また、性機能に関連する副作用や肝機能への影響が報告されているため、使用する際は必ず医師の管理下で安全性を確認しながら継続することが重要です。

    外用薬としてはミノキシジルが代表的です。日本では外用薬として承認されており、頭皮に直接塗布することで血流を促し、毛根に栄養を届けやすくする働きがあるとされています。これによって毛根が再び活動を取り戻し、新しい髪が育ちやすくなる可能性があります。

    ミノキシジルには内服薬と外用薬の両方があります。日本国内でAGA治療薬として承認されているのは外用薬のみで、一般的には外用薬が広く使われています。一方で、内服薬は発毛を目的とした使用については未承認ですが、自由診療の範囲で医師の判断のもと取り入れられるケースもあります。内服は全身に作用するため、効果や副作用の現れ方に個人差があり、使用には医師による適切な管理が欠かせません。治療の選択肢のひとつとして検討する場合は、メリットとリスクの両面を理解したうえで医師と相談し、自分に合った方法を見つけることが大切です。

    AGAの治療は、基本的に「進行を食い止める」ことが中心です。完全に元通りの状態に戻すことは難しい場合もありますが、適切な治療を継続することで進行を抑え、髪の状態を改善することが目指されます。治療は長期にわたって続ける必要があり、数か月から年単位での取り組みが前提となります。


    円形脱毛症治療の選択肢(ステロイド療法・免疫療法など)

    円形脱毛症の治療は、AGAとはまったく異なるアプローチが必要です。自己免疫の異常が関与しているため、免疫反応を抑えたり調整したりする治療法が中心となります。ここでは「承認されている治療」と「未承認で一部医療機関で行われている治療」に分けて整理します。


    承認されている治療法

    代表的なのはステロイドを用いた治療です。軽度の症状であればステロイド外用薬が処方されることがあり、中等度以上の場合にはステロイドを頭皮に直接注射する「局所注射」が行われることもあります。さらに、2022年にバリシチニブ(オルミエント)、2023年にリトレシチニブ(リットフーロ)が円形脱毛症の重症例に対して保険適用となり、JAK阻害薬が新たな治療の柱として導入されています。これらは保険診療の範囲で対応できることが多く、臨床現場で一般的に行われています。


    未承認の治療法

    難治性の円形脱毛症に対しては「局所免疫療法」と呼ばれる方法が試みられることもあります。これは人工的に軽い皮膚炎を起こす薬剤を頭皮に塗布することで免疫反応を誘導し、毛根への攻撃を抑制しようとするものです。ただし、日本では医薬品として承認されていないため保険診療の対象外であり、大学病院や一部の専門医療機関で、日本皮膚科学会が定める安全使用マニュアルに基づき限定的に行われています。

    そのほか、紫外線療法や免疫抑制薬の内服が検討される場合もありますが、これらも副作用のリスクが伴い、医師の慎重な判断が不可欠です。


    治療選択の考え方

    円形脱毛症は軽症であれば自然に回復するケースもありますが、重症型や慢性化した場合は長期的な治療が必要となります。「必ず治る治療法」が存在するわけではなく、症状の程度や経過に応じて複数の選択肢を組み合わせながら進めるのが実際の臨床現場です。自己判断ではなく、医師と相談しながら適切な方法を選ぶことが何より重要です。


    自然治癒が期待できるケースとできないケース

    AGAと円形脱毛症の違いを語るうえで重要なのが、「自然治癒の可能性」です。AGAは進行性の疾患であり、放置すると多くの場合、薄毛が進行していきます。そのため、治療を開始するかどうかが将来の髪の状態を大きく左右します。

    これに対して円形脱毛症は、自然に回復するケースが一定数あります。軽度の単発型では数か月のうちに再び髪が生えてくることがあり、治療をしなくても改善することがあります。しかし、多発型や全頭型、汎発型といった重症のタイプでは自然治癒は期待しにくく、専門的な治療が欠かせません。また、自然に回復したとしても再発を繰り返す人も多く、長期的に注意が必要です。

    この点で、AGAは「放置すれば確実に悪化する脱毛症」、円形脱毛症は「自然に良くなることもあるが再発リスクが高い脱毛症」と整理することができます。治療方針を考えるうえで、この違いは非常に大きな意味を持ちます。


    治療薬を誤用しないための注意点

    AGAと円形脱毛症は治療の仕組みがまったく異なるため、治療薬を誤って用いると効果が得られないばかりか、副作用のリスクを負う可能性もあります。たとえば、AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンに関連するメカニズムに作用しますが、円形脱毛症の原因である自己免疫の異常には効果を示しません。逆に、円形脱毛症に対して用いられるステロイドの局所注射や免疫療法は、AGAの進行を抑えることはできません。

    このため、脱毛症の種類を誤って自己判断することは非常に危険です。市販薬やインターネットで入手できる医薬品を安易に使うのではなく、必ず医師の診断を受けて適切な治療を選択することが大切です。特にAGAと円形脱毛症が併発しているケースでは、両方に対応できるよう治療を組み合わせる必要があるため、専門的な知識を持つ医師の関与が不可欠です。

    治療薬を正しく使うことは、効果を最大化するだけでなく、安全性を守るうえでも重要です。「効果がある」と宣伝されている製品でも、自分の症状に合っていなければ意味がありません。正しい診断と適切な治療薬の選択が、薄毛改善の第一歩となります。

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    AGAと円形脱毛症についてのよくある疑問と回答

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    AGA治療薬は円形脱毛症にも効果がある?

    AGA治療薬として広く知られているフィナステリドやデュタステリド、そしてミノキシジル外用薬は、それぞれ「男性型脱毛症」に対して有効性が示されている薬です。これらはAGAの原因とされる男性ホルモンや血流改善に働きかけるため、ホルモンや遺伝に由来する薄毛の進行を抑えることが目的です。

    また、ミノキシジルには内服薬もありますが、発毛目的で国内承認されているのは外用薬のみです。内服薬は未承認であり、外用薬より効果が高いと認められているわけではありません。副作用のリスクがあるため、自由診療の範囲で医師の管理下に限られます。適切に管理されれば選択肢のひとつとして取り入れられることもありますが、自己判断での使用は避け、必ず医師と相談することが重要です。

    一方で、これらのAGA治療薬はいずれも円形脱毛症の原因とされる自己免疫の異常には直接作用しません。そのため、円形脱毛症の治療薬としては推奨されておらず、使用しても効果が期待できるものではありません。

    一部の患者が「AGA薬を使用して円形脱毛症が改善した」と感じるケースもありますが、これは偶然自然回復のタイミングと重なった可能性が高いと考えられています。あくまでAGA薬はAGAに対する治療であり、円形脱毛症への効果を期待して使用することは適切ではありません。円形脱毛症の治療は、皮膚科や専門クリニックで医師と相談し、免疫にアプローチする治療法を選ぶ必要があります。


    ストレスと円形脱毛症の関係は?

    円形脱毛症と聞くと「強いストレスで起こる病気」というイメージを持つ人は少なくありません。確かに、精神的ショックを受けた直後に発症する例や、仕事や学業のプレッシャーが強い時期に脱毛が始まる例も報告されています。

    ただし、ストレスそのものが直接の原因ではなく、免疫のバランスを乱す「悪化因子」として働くと理解されています。自己免疫疾患としての性質を持つ円形脱毛症は、体質や免疫系の異常が基本にあり、そこにストレスが加わることで症状が顕在化しやすくなるのです。

    また、発症そのものよりも「発症後のストレス」が大きな問題になることもあります。髪が抜けることで外見に強い不安を感じ、それがさらに免疫系に悪影響を与えて症状を長引かせる悪循環に陥るケースもあります。したがって、円形脱毛症の治療には心身両面のケアが重要であり、必要に応じて心理的サポートを受けることも検討すべきです。


    円形脱毛症を目立たなくする方法は?

    円形脱毛症は発症すると脱毛班が目立ちやすく、特に女性や若年層にとっては大きな心理的負担になります。治療を受けながら日常生活を送る中で「人目が気になる」「隠したい」と考えるのは自然なことです。

    一時的に目立たなくする方法としては、ヘアスタイルを工夫する、ウィッグやヘアピースを使用する、あるいは頭皮に専用のカバー用スプレーを使うといった選択肢があります。これらは医療行為ではなくあくまで「外見を整える工夫」ですが、精神的な安心感を得るうえで大きな意味があります。

    ただし、ウィッグやスプレーの使用で頭皮が蒸れたり、皮膚がかぶれたりすることもあるため、使用方法や頻度には注意が必要です。治療と並行して外見のケアを取り入れることで、日常生活のストレスを軽減しやすくなります。


    治療は何科を受診すればよい?

    AGAと円形脱毛症では、受診すべき医療機関が異なるケースがあります。AGAの場合は、一般皮膚科でも相談できますが、より専門的な治療を希望する場合は「AGAクリニック」と呼ばれる自由診療の医療機関を受診する人が多いです。そこでホルモンに関連する内服薬や外用薬を処方してもらい、継続的に治療を進めていきます。なお、ミノキシジル内服薬など一部の治療は日本国内で未承認のため、自由診療の範囲で医師の管理下に限って使用されます。

    円形脱毛症の場合は、まず皮膚科を受診するのが基本です。保険診療の範囲でステロイド外用薬が用いられることが多く、症状に応じて大学病院や専門病院に紹介されることもあります。重症例では局所免疫療法や免疫抑制薬といった方法が検討される場合もありますが、未承認の治療を含むことがあるため、対応できる施設は限られます。

    いずれにしても、自己判断で薬を試すのではなく、まずは皮膚科や専門医に相談し、自分の症状に合った治療を選ぶことが望ましいです。


    放置するとどうなる?

    AGAは自然に改善することはなく、多くの場合、放置すると進行していきます。最初は軽い生え際の後退や頭頂部の薄毛から始まりますが、数年から十数年のうちに広範囲に薄毛が広がっていきます。放置しても元通りに回復することはないため、進行を抑えるには治療を始める以外に方法はありません。

    円形脱毛症は放置しても自然に回復する場合があります。特に単発型で軽度のものであれば、数か月以内に再び髪が生えてくることもあります。ただし、必ず回復するとは限らず、多発型や全頭型、汎発型といった重症型に移行すると自然治癒は期待できません。また、一度治ったとしても再発を繰り返すケースが多いため、安心はできません。

    つまり、AGAは放置すれば悪化しかない脱毛症であり、円形脱毛症は自然回復の可能性があるものの、悪化や再発のリスクも高い脱毛症だということです。いずれにしても「様子を見る」と判断する前に、専門家に相談することが安全です。


    生活習慣の改善でできること

    AGAも円形脱毛症も、根本原因は異なるものの、生活習慣が症状に影響を与えることは否定できません。睡眠不足や栄養の偏り、喫煙や過度の飲酒は頭皮環境を悪化させる要因となり得ます。ストレスを適度にコントロールすることも含め、生活習慣を整えることは予防や再発防止の観点から重要です。

    たとえば、バランスの取れた食事を意識し、タンパク質やビタミン、ミネラルを十分に摂ることは髪の健康を支える基盤となります。適度な運動は血流を促進し、ストレス解消にもつながります。睡眠はホルモンバランスや免疫機能の調整に不可欠であり、十分な休養を取ることが薄毛予防の一助となります。

    生活習慣の改善だけでAGAや円形脱毛症を完全に防げるわけではありませんが、治療と組み合わせることで効果を高める可能性があります。医療の力と生活習慣の工夫を両立させることが、長期的な改善につながるのです。

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    >まとめ:自分に合った治療法を選ぶために

    1.タイトル入ります

    違いを理解して正しく対処する

    AGAと円形脱毛症は、どちらも「髪が抜ける」という共通点がありますが、原因も進行の仕方もまったく異なります。AGAは男性ホルモンの影響を強く受け、年単位で少しずつ進行していくのに対し、円形脱毛症は自己免疫の異常によって突発的に発症し、急速に広がることもあります。治療法も全く別で、AGAにはホルモン関連の薬や血流改善薬が、円形脱毛症には免疫調整を目的とした治療が用いられます。

    このように違いを理解せずに自己判断で対応してしまうと、本来必要な治療にたどり着けず、改善の機会を逃すことになりかねません。脱毛が気になったときは、まず「これはどちらの症状に近いのか」という視点を持つことが大切です。そして、最終的な判断は必ず専門医に委ねることが、改善への近道になります。


    専門医に相談するのが最も確実な方法

    AGAと円形脱毛症を正しく区別するのは、一般の人にとっては非常に難しいことです。生え際の後退や頭頂部の薄毛が気になっても、それが本当にAGAなのか、あるいは円形脱毛症が重なっているのかは自己判断では分かりません。特に両者が併発するケースでは、専門の医師でも診断に時間を要するほど複雑です。

    皮膚科やAGA専門クリニックでは、頭皮の状態や髪の毛の太さを詳しく観察し、必要に応じて血液検査や皮膚検査を行いながら診断を下します。これによって、自分の脱毛症の正体が明らかになり、適切な治療法を選択することができます。自己流の育毛法や市販薬ではカバーできない領域が多いため、やはり医師に相談することが最も確実で安全な方法です。


    無理のない生活改善で再発を予防する

    AGAも円形脱毛症も、生活習慣が症状に影響を与える可能性があります。睡眠不足や栄養の偏り、過度の喫煙や飲酒は頭皮環境を悪化させることがあり、間接的に薄毛の悩みに関与することがあります。また、強いストレスは円形脱毛症を悪化させる要因のひとつであり、AGAについてもホルモンバランスの乱れを通じて影響する可能性があるため注意が必要です。

    日常生活においては、タンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂る食生活を心がけること、適度な運動で血流を促すこと、十分な睡眠で体を回復させることが基本です。これらは薄毛そのものを完全に防ぐわけではありませんが、治療の効果を高めたり、再発を防ぐ補助的な役割を果たします。特に円形脱毛症は再発率が高いため、規則正しい生活習慣を維持することが長期的な安定につながります。


    心理的なケアも忘れずに

    脱毛症は外見の変化が大きいため、心の負担も軽視できません。AGAでは「老けて見える」という不安が強まり、円形脱毛症では「突然髪が抜けた」というショックが精神的ダメージとなることがあります。これらは本人の自信を失わせ、社会生活や人間関係に影響を与えることもあります。

    こうした心理的な負担を和らげるためには、家族や友人など周囲の理解が重要です。また、必要に応じてカウンセリングやメンタルサポートを受けることも有効です。ウィッグやヘアピースなどを利用して見た目を整えることも、精神的な安心につながります。外見をカバーする工夫は治療そのものではありませんが、生活の質を守るためには欠かせない選択肢です。


    長期的な視点で取り組むことが大切

    AGAも円形脱毛症も、短期間で完全に治ることを期待するのは現実的ではありません。AGAは進行を抑えるために長期的な治療が必要であり、数か月から年単位で薬を続けていくことが前提となります。円形脱毛症は軽症なら自然に治る場合もありますが、重症や慢性型では再発を繰り返すため、やはり長期的なフォローが欠かせません。

    治療は「ゴール」ではなく「継続的な管理」であると考えることが大切です。定期的に医師の診察を受け、自分の症状に合わせて治療法を調整しながら向き合っていく姿勢が必要です。すぐに結果を求めるのではなく、焦らず取り組むことが、最終的に安定した改善につながります。


    自分に合った治療法を選ぶために

    薄毛の悩みは非常に個人的で、症状の現れ方も改善の経過も人によって大きく異なります。だからこそ、誰かの体験談やインターネット上の情報をそのまま信じるのではなく、自分自身の体質や症状に合った治療法を見つけることが大切です。AGAか円形脱毛症か、あるいは併発しているのかを明確にし、医師と相談しながら無理のない範囲で続けられる方法を選びましょう。

    最も重要なのは「一人で抱え込まない」ことです。脱毛症は誰にでも起こり得る疾患であり、恥ずかしいものではありません。早めに行動し、適切なサポートを受けることが、健康な髪と心を取り戻す第一歩となります。


    参照リンク

    ・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/AGA_GL2017.pdf
    ・円形脱毛症診療ガイドライン 2024
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/AAGL2024.pdf?utm_source=chatgpt.com
    ・「円形脱毛症ってどんな病気?」(横浜市・皮膚科医会)
    https://www.yokohama.kanagawa.med.or.jp/ikai/hifuka-ikai/YDA_you_tube%EF%BC%88%E8%84%B1%E6%AF%9B%E7%97%87%EF%BC%89.pdf
    ・日本皮膚科学会 「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
    https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/AGA_GL2017.pdf
    ・PMDA 医療用医薬品情報「プロペシア錠0.2mg/1mg」
    https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/249900XF1021_3
    ・PMDA 添付文書:5α-還元酵素 II 型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド
    https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/730869_249900XF1145_1_05
    ・PMDA 医療用医薬品情報「ザガーロカプセル 0.1mg/0.5mg」
    https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/249900AM1023_1l

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