鼻から接種できるインフルエンザワクチン「フルミスト」
2023年3月、日本で初めて鼻から噴霧するタイプのインフルエンザワクチン(弱毒生ワクチン)である「フルミスト」が承認されました。米国では2003年に承認され、現在は30以上の国と地域で使用されています。
フルミストとは?
- ウイルスが侵入する入口である”鼻”にスプレーするだけのため、注射の痛みがなく、お子様にも好評です
- 弱毒化した生きたインフルエンザウイルスを使用し、鼻やのどの粘膜で自然感染に近い形で免疫を作ります
- 粘膜免疫(IgA)と全身免疫(IgG)の両方を誘導し、特に2~7歳の小児で高い発症予防効果が報告されています
対象年齢
- 2歳以上18歳以下
- 以下の場合は接種できません
- 5歳未満で過去12か月以内に喘息や喘鳴があった方
- 重度の喘息がある場合
- 妊娠中またはその可能性のある場合
- 免疫不全の方や、家庭内に免疫不全の方がいる場合
- 卵やその他のワクチン成分(ゼラチン、ゲンタマイシン、アルギニン)に対して重度のアレルギーのある方やアナフィラキシーの既往がある方
- アスピリン服用中の方
- 重度の卵アレルギーがある場合
- 他、医師が接種不適当と認めた方
接種回数と方法
- 1シーズンに1回のみ(日本国内の臨床試験に基づく判断)
※米国では過去にインフルエンザワクチン接種歴のない2〜8歳児に対しては2回接種が推奨されておりますが、国内ガイドラインに従い、当クリニックでは1回接種の方針とします。
気になる効果は?
- 発症予防+重症化予防
- 従来の注射タイプの不活化ワクチンよりも有効であるというデータと、不活化ワクチンの方が有効であるというデータがあり、専門家によっても見解が分かれるところです。確実に最大の効果を求める場合は注射タイプのワクチンをおすすめいたします。
他ワクチンとの接種間隔
- 不活化ワクチン(インフルエンザ注射型、肺炎球菌、4種混合など)とは同時接種可能
- 生ワクチン(麻疹風疹、水痘、おたふくかぜなど)とは4週間以上あける必要があります
副反応
生ワクチンのため、注射型よりも軽い感冒様症状が出やすい傾向があり、よく「軽いインフルエンザのような症状」と言われることがあります。
- 10%以上:鼻水・鼻づまり(約半数)、咳、のどの痛み
- 1〜10%未満:発熱、食欲低下、腹痛・下痢、疲労感、筋肉痛など
- まれ:蕁麻疹、顔のむくみ、鼻出血、ミトコンドリア脳筋症の症状悪化など
負担金額
8,000円(江戸川区民の方は区の助成により4,000円となります)
※戸田市は助成はございません
接種開始時期
接種は例年10月頃からですが、入荷数に限りがあるため早めの予約がおすすめです